日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■インターネット記念日
今日もこの日刊☆こよみのページ配信にも、またWeb こよみのページ公開に
も、その前提として活躍しているインターネットの原型となったネットワー
クの接続試験が行われたのが1969年の今日です。
◇ARPANET(アーパネット)
インターネットの原型となったネットワークとはARPANET(アーパネット)と
呼ばれるもの。APRAは
国防高等研究計画局 : Advanced Research Project Agency
の頭文字をとった略称。国防高等研究計画局は米国の国防総省傘下の組織で
す。
当初はわずか 4つの接続点(カルフォルニア大学ロサンゼルス校・スタンフ
ォード研究所・カルフォルニア大学サンタバーバラ校・ユタ大学)しかない
APRANET でしたが、コミュニケーション方法としてパケット交換方式(TCP/
IP方式)を採用し、分散型のネットワークを構成するなど、現在のインター
ネットの原型となるスタイルをすでに持つネットワークでした。
分散型のネットワークであるARPANET は、網の目のようにつながった(まさ
に「ネットワーク」)複数の情報伝達経路を持ち、一つの経路が遮断されて
も、別の経路を辿って情報の交換が維持出来るという特徴を備えていました。
この特徴から、その情報伝達経路全てが遮断されるという可能性がきわめて
低く、核攻撃のような大規模な攻撃にも生き残るネットワークだと考えられ
ました。そのため後世(?)、
「そもそもARPANET は核攻撃に生き残る通信手段として開発された」
と言われるようになりました。
しかし、この説に関しては、この説に沿って書かれた雑誌「TIME」の記事に
対してARPANET の計画責任者自身がそうした意図はなかったと正式に抗議文
を送っていることで、少々怪しくなっています。
現在ではARPANET にやや先行した時代(1965年頃)、米国空軍で検討された
核戦争を想定した別の通信ネットワーク構想がやはりTCP/IPでのパケット交
換方式をであったこと(実現はしていない)がARPANET と混同されて伝わっ
ているのではないかと考えられるようになってきています。
最初は 4箇所でのネットワーク実験から始まったARPANET はやがて、現代の
インターネットへと発展し、社会の様々な部分に浸透して、今やこれなしで
の社会生活は難しいほどになってきました。
道具としての刃物が武器になる一方で、おいしい料理を作るのにも欠かせな
いものであるように、道具が始めはなんの目的のために作られたかよりも、
今それを使って、何が出来るかの方が大切な問題です。
今から39年前に産声を上げて、ここまで育ってきたインターネットを、もっ
と有効に、意味のあることに使って行きたいものです。
ということで、今日も「日刊☆こよみのページ」発行に使わせて頂いており
ます。「それが意味のある使い方の例か?」とは、聞かないでくださいね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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