日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■凩と夜空
本日 11/27は七十二候の一つ、「北風木の葉を払う」です。
これは二十四節気、十月中気「小雪」の次候、七十二候全部を通してみると
五十九番目となります。
木の葉を払う北風と言えば、「こがらし」。
こがらしは、「木枯らし」と書きますがまた「凩」とも書きます。
凩の文字は日本生まれの文字です。
「風+木」で木を吹き枯らす風という意味。文字の形を見ただけで意味が想
像出来る文字ですね。
凩やかぎり知られぬ星の数 (加藤 楸邨)
さて、凩が吹くような日は日本の太平洋側の地域では空気が乾燥して雲が少
なく、空が晴れていることが多いです。こんな日の夜には星が良く見えます。
もしその夜に月がないようなら、降るような星空を見上げることが出来ます。
それこそ「かぎり知られぬ星の数」です。
本日2008/11/27の旧暦の日付は十月三十日。つまり十月の晦日(みそか)で
す。「晦日」は「つごもり」とも読みます。
「つごもり」は「月こもり」が転じた言葉と言われるとおり、月が何処かに
こもってしまって見えない日です。
凩吹いて木の葉と雲を吹き払い、月はこもって夜空に姿を見せないとなれば、
きっと今夜は「かぎり知られぬ星の数」と呼べる星空を見ることが出来るで
しょう。
ちょうど今頃は、夕暮れ直後の西の空に明るい金星と木星が肩を並べるように
輝いて見えています。
今夜の空には金星と木星を一番星、二番星として、そのあとには幾万もの星が
続くことでしょう。
学校帰り、仕事帰りにこんなことを思い出したら、早々と沈む夕日のあとに、
かぎり知られぬ星をいただいた夜空を星空を見上げてみてください。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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