日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■一年で一番大きなお月様
明日12/13 は満月です。満月のことを
大きな丸いお月様
などと形容しますが、明日の満月はこの表現のとおり、一年で一番大きなお
月様となります。
月は地球の周りを回る軌道は円軌道から大分ずれた楕円軌道が基本です。
(太陽の影響、他の惑星の影響などを受けて実際はもっと複雑な軌道を描い
ていますが、この辺は、まあそんなものかと思っておいて下さい)
◇月と地球の距離
月の楕円軌道が円軌道からどれくらいずれているかを示す離心率という数値
は0.055。地球が太陽の周りを巡る軌道の離心率は0.017ほどですから、月の
離心率は結構大きい値です。そしてこの離心率が大きいほど軌道が中心の天
体に接近した場合と遠のいた場合の距離の差が大きくなります。
月の場合、中心にある天体(地球)との距離は、
最も接近した時 約 35万 6千km
最も遠のいた時 約 40万 7千km
平均の距離は 約 38万 4千km
です。ちなみに月が最も地球に近づく軌道上の位置を近地点といい、反対に
最も遠ざかる位置を遠地点と言います。
◇一番月が地球に近づく日
月は、この近地点を27日13時間程の間隔で通過して行きます。このため一年
に近地点を通過する回数は13〜14回。今年2008年には13回の近地点通過があ
ります。
さてこの近地点通過の際の距離ですが、常に一定ではなくて、35万 6千km〜
37万kmの間で変化します。では今年最も月が近づく日は何時か?
近地点通過の瞬間の距離を調べてみると、Top3は次のようになります。
1位 12/13 356600km , 2位 06/03 357300km , 3位 05/06 357800km
どうですか、明日の12/13 は今年の中で一番月が地球に近づく日なのです。
月が一番近いとなれば、もちろん大きくも見えるわけで、この時の月の視直
径33′30″が今年一番大きな月となります。そしてうれしいことにこの日は
ちょうど満月。「大きな丸い月」にぴったりの状態と言えますね。
ちなみに、12/13 の天文学的な満月はこの日の未明、午前 1時頃。距離が一
番近くなるのも同日の午前 7時ですから、大きな月の見頃は12/13 の月と言
うより、12/12 (本日)の夜の月と言うことになりそうです。
さて、折角今夜から明日の朝にかけて、一年で一番大きなお月様が見えるの
ですから、ちょっと寒いですけれど空を見上げて冬の月見などいかがでしょ
うか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
日刊☆こよみのページ スクラップブック