日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■クリスマス・ツリー
今日はクリスマス・イブですので、クリスマスにまつわる話を一つ。
自宅に飾り付けされたクリスマス・ツリーがあるというお宅も多いことと思
います。
本日はこのクリスマス・ツリーの由来について書いてみます。
◇クリスマス・ツリーはドイツ生まれ
今ではイエス・キリストの誕生を祝うクリスマスには無くてはならないもの
の一つとなったクリスマス・ツリーですが、これはキリスト教が生まれた中
東や、世界宗教への拡大が始まったローマなどで生まれたものではありませ
ん。深い森に住むゲルマン人の間にキリスト教が伝道され、ゲルマン人の間
にあった巨木信仰がキリスト教に取り込まれて生まれたのが、クリスマス・
ツリーだったといわれています。
伝説によれば、ドイツにキリスト教を伝道したウィニフレッド(ボニファテ
ィウス)という宣教師がドイツの深い森の中で、巨木の周りにかがり火を焚
き、幼児を生け贄にして雷神トール神をなだめる冬至祭り行おうとしている
村人達に出会い、
神は幼児の生け贄など欲してはいない
それどころか、人々の救い主として神の幼子を与えてくださったのだ
とキリスト教の神の愛を説いて、そのまま巨木を囲んでクリスマスを祝った
ことが、クリスマス・ツリーの始まりだとされています。
近世では、宗教革命で知られるマルティン・ルターが子供達を喜ばせるため
にモミの木を飾り付けたのことから広がったともいわれています。
◇クリスマス・ツリーの飾り付け
ドイツではクリスマス・ツリーではなく、クリストバウム(Christbaum,キ
リストの木の意味)と呼ばれるそうです。
飾り付けにも意味があり、土台となる常緑のモミの木は「永遠の命」を、枝
に着ける赤いリンゴは「愛」を、ローソクは「信仰」を、天辺に着ける星は
「希望」をそれぞれ象徴するものだそうです。
ちなみにクリスマス・ツリーは年開けて 1/6の公現日まで飾るものだとか。
日本の場合、飾り付けは異様なほど早いのですが、後かたづけもかなり早い
ですね。
年明けの公現日までどころか、年の暮れにはすっかり取り片付けられて、正
月の松飾りに取って代わられてしまいます。
これも、「所変われば」と言うことなのでしょうか。
クリスマス・イブの今日、クリスマス・ツリーを見かけたら、その飾り付け
の意味など思い返して、少しはクリスマスの意味を見直して頂ければと思い
ます。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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