日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■出梅の日付
【出梅】(しゅつばい)
梅雨の終る日。つゆあがり。⇔入梅。
《広辞苑・第五版》
【梅雨明け・出梅】(つゆ あけ)
梅雨の季節の終ること。暦の上では夏至(げし)の後の庚(かのえ)の日
とする。つゆのあけ。夏の季語。「梅雨明け宣言」⇔つゆいり。
今日の暦のこぼれ話は、日刊☆こよみのページのもう一つの読み物コーナー
であるコトノハのようなスタイルでスタートです。
梅雨入りを意味する「入梅」という言葉は今でもよく使われますが、それと
対をなす「出梅」の方は、入梅ほど使われることが無いようですが、「入」
があれば「出」があってしかるべきでしょう。
暦の上には生活に密着して「あると便利」なものが次第に書き込まれるよう
になったものがあり、特に暦が日本に伝来してから追加されたものは雑節(
ざっせつ)と呼ばれています。この雑節の中に入梅・出梅は入っています。
◇出梅、日付今昔
出梅は現在は気象庁の梅雨明け発表の日付がそれに当たるものとなっていま
すが、昔から気象庁があったわけではありませんから、それ以前は地方地方
に伝えられてきた天気俚諺(てんきりげん)、あるいは暦に書かれた出梅の
日付がその目安となってきました。
暦の上の「出梅」がどのように決められるのかというと、
昔の出梅・・・小暑の後の最初の壬(みずのえ)の日・・・2009/07/16
最後の日付は、昔の出梅の定義で求めた今年の「暦の上の出梅」の日付です。
広辞苑の説明には、出梅は夏至の後の最初の庚の日となっていますが、この
日取りは雑節の定義としては少数派です。一応その日付を求めてみると
昔の出梅・・・夏至の後の最初の庚(かのえ)の日・・・2009/06/24
となります。梅雨の期間は地方毎に異なりますから一概にはいえませんが、
広辞苑の示した少数派の日取りはやや早すぎる気がします。
さて昔の暦の上の出梅の定義(と日付)を示しましたが、では現在の定義は
どうなっているのかというと・・・どうも明確な定義は無いようです。
現在でも暦の上の入梅は「太陽の視黄経が80度となる日」という定義があり
ます。入梅があって出梅が無いとは片手落ちの感がありますね。
ちなみに、現在の入梅の定義は昔の定義であった「芒種以後の最初の壬の日」
の日付を平均して、その平均に近い日を太陽黄経で定義し直したようなもの。
だとしたら、出梅だってこの手で定義出来そうです。ではどうなるか?
今の出梅・・・太陽の視黄経が110度となる日・・・2009/07/12
ということになります(念のため、私が勝手に考えた定義ですので注意)。
そうこうするうちに関東地方では暦の上での、ではない梅雨明け発表が気象
庁から7/14にありました。
関東での梅雨明けは例年より 6日早く、本州では最も早い発表となりました。
7/14なら、私の勝手な定義の出梅の日付もいい線いってますね。
今のところ、私の住んでいる近畿地方は「梅雨明け発表」はありませんが、
今朝は朝から、蝉がやかましいほど鳴く快晴。
空にかかる太陽を見る限りでは、梅雨が明けたあとの真夏のそれなんですが。
まあ気象庁の発表はまだでも、気分は夏ですね。
皆さんはのお住いの地域での今年の「出梅」は?
さていつでしょうか。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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