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■国民の休日
 本日(2009/09/22)は久しぶりに国民の休日となりました。
 前回の国民の休日は2006年でしたので、 3年ぶりの登場です。

◇なぜ復活したのか?
 先日、

  一度無くなった国民の休日がなぜ今年から復活したのか

 という質問を頂きました。 3年ぶりの国民の休日ですからこんな風に思った
 のしょう。しかし、国民の休日は無くなったわけでも、今年から復活したわ
 けでもありません。法律の規定としては2007年〜も存続していましたが、た
 だ該当する日が無かっただけでした。

◇国民の休日に関する規定
 国民の休日は「国民の祝日に関する法律」(通称 祝日法)の第三条 3項に
 次のように規定されています。

 A.《施行期間 1985〜2006》
  その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(日曜日にあたる日及び前項
  に規定する休日にあたる日を除く。)は、休日とする。

 B.《施行期間 2007〜》
  その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に
  限る。)は、休日とする。

 Aが初登場の時の法律の条文、Bが現在の条文。
 初登場は1985(昭和60)年。そんなに昔からあったんですね。

 初登場の頃は、こうした条件を満たす日は5/3の憲法記念日と5/5のこどもの
 日に挟まれた 5/4だけで、日付はいつも 5/4で悩む必要がありませんでした。
 ちょっとだけ悩む必要があったのはその日が日曜日と振替休日と言われる日
 にあたっていないかと言うことだけ。

 ところが2007年からこの 5/4がみどりの日という「祝日」に変わってしまっ
 た(昇格した?)ために()の中が微妙に変わり、 5/4は国民の休日ではな
 くなりました。

◇秋の「国民の休日」
 さて、 5/4が祝日に昇格(?)したため初夏の国民の休日が無くなりました
 が、これに替わって時々ですが秋の国民の休日が登場することになりました。
 そして今年がその最初の年とです。

 国民の休日は基本的には祝日と祝日に挟まれた日でなければなりませんから
 挟んでくれる祝日が無いと登場出来ません。その挟んでくれる祝日は

  敬老の日 (9月の第3月曜日。9/15〜9/21)
  秋分の日 (たぶん、太陽が秋分点を通過する日。9/22,23?)

 敬老の日は2006年までは9/15でしたが、2007年からあの悪名高い(と私は勝
 手に思っている)ハッピーマンデー法によって、現在のような移動祝日とな
 りました。秋分の日は正式には閣議決定事項なので本当に太陽が秋分点を通
 過する日になるのか否かは保証出来ませんが、今まで一度も違ったことが無
 いので、きっとこれからも変わらないと思います。そう考えると、ここ当分
 は9/23か、9/22のいずれかが秋分の日になります。これも移動祝日ですね。

 秋の国民の休日が登場するのは、敬老の日と秋分の日という二つの移動祝日
 がうまいこと、「一日おきに並ぶ」ときだけなので、毎年登場するわけでは
 ありません。ことしがシルバーウィークなんて呼ばれる大型連休だからって、
 来年もそうなると思っちゃいけませんよ。

 では二つの祝日がうまいこと「一日おきに並ぶ条件は?」と考えると、これ
 は意外に簡単、秋分の日は少なくとも21世紀中には9/22か9/23日しかありま
 せんから、秋分の日を計算してその日が「水曜日」であればその前日が必ず
 国民の休日になります(この理由はカレンダーを並べて各自お考え下さい)。

 そうやって今年以降のこの秋の国民の休日が出現する年を調べて見た結果は
 次のようになります(21世紀中)。

  9/21・・・2032,2049,2060,2077,2088,2094
  9/22・・・2009,2015,2026,2037,2043,2054,2071,2099

 次にこの秋の国民の休日にお目にかかれるのは2015年となります(それまで
 に祝日法が改正されていなければ)。

◇国民の休日・余話
 《余話1》
 「国民の休日」とずっと使ってきましたが、既に示した法律の条文にはどこ
 にもこの言葉は登場していません。法律では単に「休日」とだけしか書かれ
 ていないのです。まあ、「休日」とだけ言われるといろいろと混乱するので
 これを避けるために一般に「国民の休日」と言い習わされているだけです。

 《余話2》
 現在の国民の休日の規定だと、祝日と祝日に挟まれてさえいれば、日曜日で
 も国民の休日となるわけですが、さてその場合振替休日(祝日法第三条 2項)
 は発生するのかな?
 あるいは祝日と祝日の間の日が振替休日になってしまったときは?
 祝日法はどう解釈したらいいのかな。

 今のところ当分の間こんな悩ましい日は出現しないので、私が生きているう
 ちには悩むことはなさそうですが、ちょっと気になります。
 法律の読み方、誰か教えて下さい。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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