日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■こよみのページ誕生秘話
本日は、「書くこと無いけど、折角の日曜なので何か書きたい」という何と
も個人的な理由で書き始めた暦のこぼれ話です。正しくは
こよみのページのこぼれ話
です。この日刊☆こよみのページの元となりましたWeb こよみのページ(今
も継続していますよ・・・ http://koyomi8.com/)がどうして生まれたかと
云う話です(暦の話というのではないので看板に偽り有りですね)。
ついでに云うと、タイトルに「秘話」と書きましが、そんなたいそうな話し
でもありません(あ、これも看板に偽り・・・)。
◇誕生前の話し
世の中には「え、そんな仕事有るの」という仕事が結構あります。
そうした「え?」という仕事の一つに暦の計算をするという仕事があります。
ここで、暦の計算と書きましたがこの「暦」は「こよみ」ではなく「レキ」
と読みます。その読みの違いに明確な定義が有るわけでは有りませんが、ず
っとそう使い分けていたので慣例に従って「レキ」と読んでいました。
個人的には、「こよみ」と読むとどうもカレンダーのイメージが強いので、
それは避けたいという心理が有ったのは確かです。
話がそれましたが、その「暦の計算」を何年か担当していました。
この仕事をしていると、時折(というか、結構な頻度で)
・旧暦の○月×日は新暦では何日ですか
・再来年の春分の日を教えてください。
・次の満月の日を教えてください。
・△市の日の出の時刻が知りたいのですが
といった問い合わせがあります。
こうしたことに答えることは本来の仕事では有りませんが、出来る範囲で答
えていました。これが結構大変でした。
こうした「よくある質問」は資料を数分〜十数分調べれば答えられるものば
かりですが、これが何回もあると、その度にそれまでしていた仕事を中断し
なければならない、それが結構大変だった理由です。
その日も、こうしたよくある質問に答えるために電話口に資料を拡げていま
した。そしてふと考えたのです。
「私はほとんど一日中、計算機の前で計算したり、計算のためのプログラム
を書いたりして過ごしている。よくある質問くらいこの計算機で、チョコ
チョコっと計算出来たら、質問の度に資料を探しに席を離れなくてもよく
なるのにな」
と。そして、よくある質問の幾つかを計算するプログラムを作って、それを
いつも使っている計算機の上にまとめて、簡単に使えるようにしておいたら、
これがなかなか具合がよかったのでした。
ただそれでも、質問は電話やE-mailで来るので答えるのは人間(私)という
構図は変わりません。
「これくらいのプログラム操作なら、
問い合わせしてくる人が自分でしてくれたらいいのに」
そんな横着な考えが脳裏を過ぎりました。
◇Web こよみのページ誕生
そうこうしているうち、転勤によって、しばらく暦の計算部門から離れるこ
とになりました。新しい職場では暦とは関係ない仕事をしていましたが、た
まに個人的に質問を頂くことはありました。
「数は少なくとも、暦関係の情報を探している人はいるらしいな」
そう思ったのは20世紀が終わろうかという頃。2000年頃です。
この頃インターネットの利用が一般化してきて、自宅でもネットに接続して
いるという人も大分増えてきました。
私もご多聞に漏れず、そうした時流に乗った口。
ネットでWeb サイトを巡っているうちに、「自分も作ってみたいな」と思う
ようになって、では何を作ろうと考えたときに思い浮かんだのが暦の情報を
提供するサイトでした。経験から、少数では有ってもこうした情報を必要と
している人がいることはわかっていましたから、有名人でもない自分の日記
を公開するなんかよりは、利用してくれる人がいるはずだと思ったからです。
思い立ってから暦の情報を提供するサイト、「こよみのページ」がオープン
するまでは、一ヶ月くらいだったでしょうか。
以前、自分で使う計算機の上にまとめていたプログラムをネット上で使える
ように直して、操作説明などを加えて行きました。以前に脳裏を過ぎった
「これくらいのプログラム操作なら、
問い合わせしてくる人が自分でしてくれたらいいのに」
を実現するためです。
元々プログラムを書くことは仕事&趣味でしたし、Web サイトの作成も仕事
で経験していたのでこの辺の作業は案外すんなり進みました。
もちろんこうして誕生した「こよみのページ」は、出来たばかりの頃は現在
に比べればコンテンツの量はとっても少なく、今思うと貧弱そのものでした
が、何はともあれ誕生しました。
そして十年。だんだんと記事を増やしながら現在に至ったわけです。
◇それから
この十年で、世の中もWeb の世界も随分変わりましたが、こよみのページは
相変わらず。
「大分古めかしくなってきたな」
なんて思うことは有りますが、なかなか今風に直すことも出来ずに今に至っ
ています。とりあえず、利用者がいて、私が元気でいるうちはこれからも続
けて行くつもりです。
今風にリニューアル・・・
ということも、続けていればいつかはできるのじゃないかなっと思いながら。
というわけで、本日の暦のこぼれ話は、暦のこぼれ話ではなくて「こよみの
ページのこぼれ話」でした。
たまには毛色が変わった話しもいいでしょうか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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