日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■ペルセウス座流星群 2010
今日は8/12、本日夜半過ぎから明日の朝にかけて、ペルセウス座流星群が極
大期を迎えます(太陽黄経から求めると極大は日本時の8/13、 9時頃ですが
この時間帯は太陽があって見えません)。
◇散在流星と群流星
流れ星は、一年中何時でも見える流星、散在流星と特定の時期に集中して出
現する群流星に大きく分けることが出来ます(明確に分けられるものではな
いのですが、便宜的に)。
群流星とはその名の通り「群れる流星」です。特定の時期に集中して現れ、
その現れる場所も空の同じ場所からやって来るように見える流星なので、こ
う呼ばれます。群流星に含まれない流星を散在流星と呼ぶと考えると判りや
すいかもしれません。
流星群には数年前に話題になったしし座流星群や、今回採り上げたペルセウ
ス座流星群などがあります。夏のペルセウス座流星群は、毎年一定量の活発
な活動を見せる流星群で、そう言う意味では「ハズレ」はあまりありません。
◇流星群とは
流星とは特別な時、例えば今回のペルセウス座の流星群のような流星群があ
る時にしか見られないと思いこんでいる方がいらっしゃいますが、これは間
違いで、散在流星は何時でも見ることが出来、月のない晴れた夜に空を見上
げていれば、一年を通して 1時間当たり数個程度の流星を見ることが出来ま
す(都市部の明るい空だと、ちょっと苦しいですが)。
これに対して、一年のある時期に、特定の方向から流星が飛び出してくるよ
うな流星があり、こんな風に群がって(?)流星が出現するものを流星群と
呼びます。
流星群は毎年ほぼ一定の時期に、一定の方角から流星が飛び出してくるよう
に見えます。同じ群に属する複数の流星の径路を飛び始めた方向へ延長して
行くと、その経路線は空のある一点に集まるように見えます。この「一点」
を流星群の輻射点(ふくしゃてん)または、放射点(ほうしゃてん)と呼び、
流星群はこの輻射点のある星座の名前を冠して、「ペルセウス座流星群」の
ように呼びます。
更にこまかく言えば、この輻射点の近くに見える明るい星の名前まで付けて
呼ぶこともあり、ペルセウス座流星群はこの方法では、
ペルセウス座γ星流星群
とも呼ばれます。
流星群は、帚星(ほうきぼし)として知られる彗星(すいせい)がその軌道
上にまき散らした塵の雲の中を地球が通過する時に起こります。そのため、
それぞれの流星群にはその流星群の元となる天体があり、母天体(ぼてんた
い)と呼ばれます。
この母天体は先に書いたとおり彗星である場合が大部分ですが、ごく希に小
惑星を母天体とする流星群や、母天体自体が不明の流星群もあります。
流星群の特徴として、活動期間は数日から一月程度の活動期間を持ち、その
期間中にも出現の多い時期、少ない時期があります。特に出現が活発になる
時期を極大期(きょくだいき)と呼びます。
◇ペルセウス座γ星流星群
ペルセウス座γ星流星群はスイフト・タットル彗星と呼ばれる彗星を母天体
とすると考えられています。
この流星群の出現は 8月の初め頃から始まりますが、もっとも流星が沢山出
現する「極大期」は例年、8/12〜8/13にあり、この後は急速に出現数を減ら
します。
活動の時期が学校の夏休みに当たり、また特別な観測機器など無くても肉眼
で観測出来る天文現象であるため、学校の天文部などの格好の観測対象とな
ります。
◇ペルセウス座流星群の見え方
さて、流星群と云うときになるのは「どれくらいの流星が見られるのか」で
すが理想的な状態(肉眼で 6等星が見え、輻射点が天頂にある瞬間)での一
時間当たり出現数を表す ZHRと言う数値ば極大期のペルセウス座流星群で、
ZHR 90
程であると言われます。現実にはこんな「理想的な条件」で見ることは出来
ませんが、それでも田舎の暗い空でならこの数の 20〜40%程度の流星は見る
ことが出来ると思います。今年は輻射点が昇り見やすい位置に達する午前 2
時、 3時の時間には月も沈んでしまい暗い空。流星群の観察には適する条件
となりますので、結構期待出来ると思います。
「空のどの辺を見ればよいか」ですが、特にどの方向でないと見えないとい
うことは無いのですが、ペルセウス座γ星流星群の輻射点のあるペルセウス
座は北東の空にカシオペア座の後を追いかけるようにして昇ってきますので、
ペルセウス座のある北東方向を向くと、比較的見易いと思います。
ペルセウス座流星群の流星は、地球大気に飛び込むときの速度が秒速60kmほ
ど(時速に直したら 2万km以上!)の流星としても速い部類の流星です。
継続時間は平均すると0.3〜0.5秒程度。
「お願いごと」をするには少々早すぎる流星かも知れませんね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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