日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■明日(2011.6.16)は月食
半月前に、ちょこっとだけの日食が起こりましたが、明日(2011. 6.16)の
明け方には、月食が起こります。
今回は、ちょこっとだけでなくてたっぷりの「皆既月食」です。しかし・・
残念なことに、日本においてはその全経過を見ることが出来ません。
◇6.16の月食の現象の進行状況
月食の場合、日食と違って地球の影が月に落ちている状態を地球から眺めて
いるわけですから、月が空に昇っている場所であれば何処でも同じように月
食を見ることが出来ます。
では、地球上何処でも見える月食の現象の進行状況を確認してみましょう。
2時25分 半影食の始まり
3時23分 欠け始め(本影食の始まり)
4時23分 皆既食の始まり
5時13分 食の最大
6時 3分 皆既食の終わり
7時 2分 欠け終わり(本影食の終わり)
8時 1分 半影食の終わり
上記の状況のうち、半影食(2時25分〜3時23分、7時 2分〜8時 1分)は普通
に月食という場合に含まれないことが多いものです。理由は、一見しただけ
では、月食が起こっているとは気が付かないものだからです。
この、ちょっと気が付かない半影食の時間を除くと今回の月食現象は、
6/16 3時23分〜7時2分
の時間帯となります。
ですが、日本では残念ながらこの月食現象の全期間を眺めることが出来ませ
ん。「月が空に昇っている場所であれば何処でも同じように月食を見ること
ができます」といったばかりなのに、今度は全部は見えないって?
どういうこと?
◇朝になると満月は沈む
理由は簡単。「月が空に昇っていなければ見えないから」なのです。
満月は夕方に東の空に昇り、朝になると西の地平線に沈んで行きます。
明日の 3時23分〜7時2分というと日本ではどの地域でもこの間に月が沈む瞬
間がやって来てしまいますので、月食の様子は途中までしか見ることが出来
ないわけです。
北海道や東北地方では皆既食が始まる前に、関東地方以西では皆既食となっ
ている間に月が沈むことになり、再び満月が満月の姿に戻るまで、見ること
は出来ません。
それと6/16は月が沈む頃にちょうど日の出となりますので、月が沈む前でも
空が明るくなってくると月食の様子は大分見づらくなってくると思われます。
そう考えると、明日の月食は日本では「ちょっと残念な皆既月食」というこ
とになりそうです。
◇それでも見たいという方は・・・
それでもいいから見てみたいという方は、空がまだ暗い内に早起きして、南
西の空に見えるはずの月を探してみてください。
きっと、満月なのに左上が欠けた月が見えると思います。
あと一つ問題があるとすれば、それは晴れるかどうか。
梅雨時ですから、これも結構な大問題ですね。
折角だから見えるといいですね。
私は、明日の早朝(未明?)に早起きして外を眺めてみるつもりでおります
ので、明日の日刊☆こよみのページでは「見えました」or「ダメでした」と
いう報告が出来ると思います。
どちらの報告になるかは、明日のお楽しみでございます。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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