日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■影が薄い二番目の「丑の日」
「一番じゃないといけないんですか?」
一頃注目を浴びた事業仕分けの中で飛び出した有名な言葉です。
注目された割には実効があがらなかったことがわかったり、馬鹿げた仕分け
もあったりで、事業仕分けはもう既に過去の出来事になってしまったようで
すが、冒頭の言葉はいろいろなところで再注目されることがあり(スーパー
コンピュータ開発や、スポーツ振興などなど)、いまだに言葉としての命脈
を保っています・・・発言者本人の意向とは違って、揶揄的な用法でですが。
何でも一番じゃないといけないわけじゃないでしょうけれど、一番と二番じ
ゃ天と地ほどの差があるものも多いのは事実。
やっぱり、一番じゃないといけないな
と思うこともしばしば。
そして今日、2011/08/02は、それをしみじみと感じています。
今日は土用丑の日。ただし二番目の。
今年は既に一度「土用丑の日」がありました(2011/07/21)。
この最初の丑の日は、新聞やテレビでも盛んに
土用丑の日
と、鰻さんが裂かれて焼かれる姿が取り上げられたものですが、同じ丑の日
でも、二番目となるとなんとも存在感が薄いこと。
鰻屋さんではそれでも、「本日丑の日」の幟が立つでしょうけれど、今日が
丑の日と気づくのはそんな幟を目にしたときくらいかな?
まあ、最初の丑の日を何とか乗り切って生き残った鰻さんにとっては、受難
の日には違いないかもしれませんけれど。
◇二の丑が出来る確率
「今年は二の丑が有ります」なんていう話しを聞くと誰しも
普通は「土用丑の日」は一回しかないが、希に二度ある年もある
と考えると思うのですがさて現実はどうなのでしょうか。
まず土用の日数について考えてみましょう。
コトノハでお世話になる広辞苑によれば
【土用】(どよう)
暦法で、立夏の前18日を春の土用、立秋の前18日を夏の土用、立冬の前18
日を秋の土用、立春の前18日を冬の土用といい、その初めの日を土用の入
りという。普通には夏の土用を指していう。
《広辞苑・第五版》
と有ります。つまり一つの土用(今回は夏土用)は18日というわけです・・
といいたいところですが、この説明は正しくありません。現在採用されてい
る定気法という計算方法(天保暦から採用された方式)では夏の土用は19日
となります。まあ広辞苑は国語辞書ですからあまり細かなあら探しをしても
仕方がありませんが、日刊☆こよみのページのページ読者のみなさんはお間
違えの無いように。
話しが横道にそれましたが、夏の土用の期間は19日。そして「丑の日」は12
日毎にめぐってきますから、
土用の期間の 1日目が丑の日なら、13日目が二の丑の日
(中略)
土用の期間の 7日目が丑の日なら、19日目が二の丑の日
という関係が出来ます。12日ごとにめぐってくる丑の日が土用の最初の1〜7
日目に来れば二の丑の日が出来るということは、二の丑の日の出現する確率
は、
7/12 ≒ 58%
一の丑しかない年の確率は約42%ですから、二の丑の日がある年の方が、一
の丑しかない年に比べると約 1.4倍もあることになります。
こうしてみると二の丑の有る方が「普通の年」みたいですね。
それなのに、二の丑まである年が珍しいと誤解されるのは、それだけ二の丑
の日の存在感が薄いからかも。
そんな存在感の希薄な二の丑の日ですが、暦のこぼれ話の種に困った私には
ありがたい存在でした。
よかった、今日も記事が書けて・・・。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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