日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■冬至の前に日が伸びる?
冬至が近づくと、日没がどんどん早くなって、
ああ、日が短くなったな。冬なんだな〜
なんてしみじみと感じてしまいます。
冬至が近づいて「日が短いな」としみじみ感じる今日この頃ですから、これ
にまつわる話を一つ書いてみることにしました。
◇日没の時刻がもっとも早くなる時期
冒頭で「冬至が近づくと、日没がどんどん早くなって」と書いたのですが、
毎日日刊☆こよみのページ暦のページで日没の時刻をチェックして下さって
いる方の中には、冬至前のこの時期なのに、もう日没時刻が日毎に早くなる
ことが無くなっていることに気付いていらっしゃる方もいるのでは?
そうなのです。
日没の時刻がもっとも早くなるのは、実は冬至より少し早い時期なのです。
どれくらい早い時期になるかは、その地の緯度にも多少影響を受けるので、
日没時刻が最も早い日はどこでも同じではありません。
試しに、今年を例にして計算してみると
札幌 2012/12/09 (日没時刻 16h00m)
神戸 2012/12/05 (日没時刻 16h49m)
那覇 2012/11/30 (日没時刻 17h37m)
日本の北と南を代表する都市が札幌と那覇というのは、納得していただける
か。真ん中に東京でも大阪でも京都でもなく、神戸が入っているのは、単に
現在私が住んでいる街だからでした(・・・)。
ご覧のように、日没時刻がもっとも早まる時期は大体12月上旬(沖縄では11
月末)。また日出時刻がもっとも遅くなる時期も冬至の時期ではなくて、そ
れより半月ほど遅れた翌年の 1月上旬です。
日没時刻がもっとも早まる時期と日出時刻がもっとも遅くなる時期がこのよ
うにずれておりますから、日没時刻がもっとも早まる日であっても、日出か
ら日没までの時間がもっとも短くなるわけではありません。日出から日没ま
での時間が最も短くなる日は、やはり冬至の日です。
日没がもっとも早くなる日、日出がもっとも遅くなる日が冬至の日からはず
れてしまう理由は、「均時差(きんじさ)」と呼ばれるものの影響なのです
が、均時差についてはまたいずれ何処かで(きっと冬至の頃?)ということ
で、本日は割愛させて頂きます。
◇冬至前に日が伸びる?
日の長さというのは、一般に日出から日没までの時間の長さを指すでしょう
から、冬至の前に「日が伸びる」ということはないのですが、この時期は日
出の時刻は余り気になりませんが、日没の時刻は案外敏感です。
ちょうどこの頃の日没の時刻が学校や会社などの終わりの時刻に近いからか
も知れません。そのため、日没の時刻が昨日より遅くなったりすると
あれ、冬至前なのに日が伸びた?
なんて感じがするようです。
私自身も錯覚とは知りつつも、やはり「なんだか日が伸びたような?」と感
じる今日この頃でございます。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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