日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■今日は旧暦の元日なので
旧暦の元日にまつわる話を一つ。
始まりは、読者の皆さんからの御質問メールから(最近、このパターンが多
いかな?)
◇旧暦の1月1日はどのようにして決まるのでしょうか。
> 家庭菜園をするようになり、数年になります。
> そこで最近は、旧暦に関心を寄せています。
> 旧暦の1月1日は毎年異なるのでしょう?
> そうしますと、それはどのようにして決まってくるのでしょうか。
このメールは、blue noteさんから頂きました(2/7のメール)
今年、2013年の旧暦の元日は本日、新暦の日付では2/10です。
では、来年は?
2013年 2/10 ,2014年 1/31 ,2015年 2/19 ,2016年 2/8 ,2017年 1/28
上記の年月日がそれぞれの年の旧暦の元日の新暦での日付です。
blue note さんがおっしゃるとおりまちまちですね。
なぜこうなるのか。
それは、旧暦が太陰太陽暦という月の満ち欠けの周期を基本にしつつ、さら
に季節の変化の周期である1年を近似的に表そうとして作られた暦だからで
す。
旧暦の基本的な作り方は、
1.新月の瞬間を含む日を計算しこの日を暦月の初めの日、一日とする。
2.太陽の位置を計算して二十四節気の中気の節入りの日を求め、暦月に
名前をつける。
計算の方法や例外の扱いなど、いろいろ難しい問題はあるのですが、その辺
を端折ってしまうと、こんな具合になります。
二十四節気の中気は
雨水・春分・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪・冬至
の十二あり、それぞれ「正月中・二月中・・・十二月中」と呼ばれます。
正月中・二月中というとおり、これを含む暦月が正月、二月・・・と云う名
前になります。
正月中は、雨水ですので雨水を含む暦月が旧暦では原則として正月になりま
す。
二十四節気の新暦での日付は毎年ほとんど変化せず、例えば正月中である雨
水は、2/18頃がその日付となります。暦月の名前を付ける二十四節気自体の
日付はかわらないのですが、問題は暦月の始め(区切りともいえますね)を
決める新月の瞬間を含む日は、年ごとに異なります。このため「雨水を含む
暦月」とはいっても、
雨水が暦月の一日のこともあれば、三十日のこともある
と、まちまちです。つまり、旧暦の元日は雨水の節入り日である新暦の日付
の2/18(頃)となることもあれば、その約一月前の日付である1/21(頃)と
なる場合もあります。
◇暦が異なれば一年の長さも、月の長さも違う
現在、「暦」といえばグレゴリオ暦に準拠した暦(いわゆる新暦)以外に思
い浮かばないほど、グレゴリオ暦が世界中で普及していますから、他の規則
に従った暦があることを忘れてしまいそうですが、暦が異なればその暦の規
則によって、暦年の長さ、暦月の長さ、暦日の長さや区切りの位置が異なる
のは、実は当たり前。
旧暦と新暦は異なる暦ですから、その二つの暦の日付が毎年一定の関係を保
っていると考えること自体無理があるのです。
今回は、旧暦の元日の新暦での日付が毎年かわるという話でしたが、こうし
た話から、「私たちが使っている暦以外にも、違った規則で作られた暦があ
る」ということに気づいて頂けたら、日刊☆こよみのページを発行している
私としては嬉しいことです。
今日は、旧暦の元日。旧正月の始まりというわけで、旧暦の元日にまつわる
話を一つ紹介させて頂きました。
元となった質問を送ってくださったblue noteさん、有り難うございました。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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