こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■盆棚・精霊棚・餓鬼棚
 今日は月遅れのお盆。
 昨日の記事でも書いたとおり、現在の「お盆」の主流は新暦の盆でも旧暦の
 盆でもなく、月遅れのお盆。
 そんなわけで、本日もまたお盆の話題です。

◇盆棚
 お盆の期間中に棚を作って位牌、線香、花、野菜や果物、団子などを供える
 習俗が有ります。
 このとき作る棚のことを、盆棚といいます。
 また、精霊(しょうりょう)棚、先祖棚などとも呼ばれます。

 先祖棚と呼ばれるところからもわかるとおり、ご先祖様の霊を祀るために作
 ります。
 そういえば、子供の頃に両親に連れられて行った母の実家で、普段は地味な
 仏壇の前がやたらと賑やかだった記憶があるのですが、今にして思えばあれ
 が、盆棚だったんですね。

 「やたらと賑やか」とはいっても、そこはご先祖様を祀った棚で、つねに線
 香の煙が漂っておりましたので、子供の自分には、あまり近寄りたくないも
 のでした。そのため、せっかく盆棚を目にしておきながら、細かなところは
 全然思い出せません。
 まさか大人になって盆棚の話を書くことになるとは、40年も昔には考えもし
 ませんでしたから。わかっていたらもう少しよく見ておくのだった。

◇もう一つの棚、「餓鬼棚」
 精霊棚は先祖を祀ったものですが、同時に餓鬼棚(がきだな)と呼ばれる無
 縁仏を供養する棚も有ったそうです。この棚は別に作るところもあり、また
 精霊棚の下に食べ物を供えるだけのところも有ったそうです。

 今と違って昔は行き倒れて亡くなる人も多く、そういった祀られることのな
 い身元のわからない霊魂は人々に様々な災難をもたらすものとおそれられた
 ことが、餓鬼棚で無縁仏を弔うと云う習俗を生んだのでしょう。

 現在は精霊棚や餓鬼棚などを作るところは少なくなっていると思いますが、
 季節の野菜や果物、団子などを供える(ナスやキュウリで馬を作って供える
 のもその変形)などの行為は、まだ多くの地方で行われているようです。

◇虫のいいお願い
 「我が家の盆棚はこんなのです」とか「餓鬼棚、見かけましたよ」といった
 方、よろしければ子供の頃によく見ておかなかった私のために、盆棚や餓鬼
 棚の写真を送って頂けると、嬉しいです。
 そのうち、HPの解説などに使えたら・・・
 最後は、他力本願のかわうそでした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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