日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■風花の旅
「寒いよ〜、さすがは大寒!」
なんて言いながら外に出ると、寒さに震える頬に、更に追い打ちをかけるよ
うに冷たい感触。
手で触れると指先がかすかに湿りました。
見上げてみても空は青く晴れています。
雨ではなさそうです。
かといって雪が降っているわけでもない。
きょとんとして、しばらく見ていると、時々日の光の中にキラキラ光るもの
が見えました。
風花でした。
周囲の建物がじゃまで見えませんが、どうやら風上の西の空には雪雲あるよ
うです。
◇風花の旅の時間
空から降る雪の降下する速度は毎秒1mほどだそうです。
風花は、雪の結晶がバラバラになって落ちてくるものだそうで、こうなった
ときには、その降下の速度は雪の速度の1/2〜1/3くらいになるそうです。
ということは、毎秒0.5m〜0.3mほどということですね。
雪を降らせる雲の高さは地上 2kmくらいはあるはずですから、この高さを風
花の速度で降下してくるとすると、1〜2時間かかることになります。
風花が舞うような時には上空では結構な風が吹いているはずです。その風速
をざっと毎秒 10mと考えると、風は 1時間で30km〜40kmを移動することにな
ります。
風花もこの風にのって運ばれるわけですから、雲を離れて地上に到着するま
でに、30km〜80kmほども移動することになります。
ちょっとした旅行ですね。
雲を出発し、私の頬で終わる小旅行の間、この風花はどんな風景を眺めてい
たのでしょうか?
道を歩いて、西の空を隠している建物をかわしたら、風花の生まれ故郷の雪
雲が見えるかな。
わずかな時間でしたが、風花の小旅行の様子を想像し、自分も冬の街の上空
を旅した気分になったかわうそでした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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