日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■新暦でも旧暦でも今日の日干支は「甲子」です
いきなりですが、本日の日干支は
甲子(「かっし」「きのえね」)
です。
新暦の日付でも、旧暦の日付でも、そんなことには関係なく「甲子」です。
◇よくある誤解
日の干支のように暦の上に「昔からあるもの」はなんでも、「旧暦のもの」
と思いこむ方がいて、「旧暦での日の干支を教えて下さい」といった質問を
受けることがあります。例えば今日の暦データには
◆今日(2014/08/21)のデータ
日干支 甲子 [きのえね]
とあります。2014/08/21は新暦の日付です。
この表示を見て、
今日が新暦の2014/08/21で日干支が「甲子」だというのはわかったが、
今日の旧暦での日干支は?
という疑問を持たれる方がいて、「旧暦での日の干支も書いて下さい」とい
う要望を一度ならずいただいています。
「旧暦の日付での日干支がないのは不便です」とも。
今日の旧暦での日付は7/26です。こうした質問をなさる方は、2014年の旧暦
7/26の日干支を欲しているわけですね。でも、解ってください。今日の日干
支は新暦でも旧暦でも「甲子」なんだということが!
◇日干支とは
日干支とは毎日に順に割り振られた六十干支で、
甲子(1) → 乙丑(2) → 丙寅(3) → ・・・ → 癸亥(60)
と進み、癸亥の次は再び甲子にもどるという単純な循環で、決してとぎれる
ことがありません(暦日の撰日法でいうところの「不断」と呼ばれる規則に
したがったものです)。
今日が「甲子」なら明日は「乙丑」。この間に新暦の月が変わろうが年が変
わろうが、旧暦の月や年が変わろうが、それどころか改暦があってもそんな
ものとは無関係に、この順番に巡って行きます。
改暦があっても関係ないと書いたとおり、明治の改暦で日本の暦が天保暦か
ら新暦に変わっても、この順番に乱れは生じませんでした。
改暦とも無関係ということですから、つまり新暦も旧暦も関係なく、今日は
今日、そして今日の日干支は「甲子」です。
◇歴史上の日付と日干支
中国では歴史上の出来事を記録する際には、日付の代わりに日干支を書くこ
とが通例となっています。中国の影響を受けた日本でも然り。
養老四年正月庚午 (養老四年 → 西暦 720年)
といった具合です。
これだと正月何日か解りませんが、養老四年正月の一日の干支をしらべると、
「甲寅」となっているので、「庚午」は十七日であることがわかります。
それなら最初から「養老四年正月十七日」と書いた方がいい
と思えますが、中国や日本では度々改暦が行われましたから、どの時代にど
んな暦が使われていたか、その暦の計算に使われていた定数はどうなってい
たのかが解らないと、「正月十七日」がいつを表す日付なのかはっきりしま
せん。1日のずれや、閏月等の関係などからすると30日余りのずれが発生す
ることもあります。
古い時代の日付からその日を特定しようとするとこうした問題がつきまとう
のですが、その点で日干支は、暦法などに関係なく60日毎に循環しているこ
とが解りますから、こうした間違いが入り込む余地がなく便利なのです。
新暦が続く限りは、何年が何日あって、何月が何日まであるかなどと言うこ
とは、すぐに解るので、わざわざ日干支を付けなくても日数を数えるのはそ
んなに難しいことではなくなりましたが、一年の日数や月の日数が毎年変わ
るような旧暦にあっては、暦の上の日数を数える上で、この日干支というの
は便利なものだったのです。
◇最後に
以上のように改暦があっても変化しない日干支ですから本日の日干支は日付
を新暦で表そうが旧暦で表そうが、変わりなく「甲子」なのでした。
暦の世界では当たり前の話なのですが、案外この当たり、誤解されているよ
うですので、皆さんはお間違えのないように。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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