日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■二度目の九月十三夜
本日の旧暦の日付は、閏九月十三日。
旧暦の九月十三日の夜の月は、「十三夜の月」とか「後の月」とかよばれる
月見の月です。今日は閏九月ではありますが九月十三夜であることには違い
がありませんから今夜も九月十三夜のお月見の月といってもよいでしょう。
◇閏月でも大丈夫?
年中行事の場合、二度あるのは困るという場合もあるので、そうした場合は
そうした行事の場合には、普通は閏月にはその行事が行われないのが普通で
す(一年の上半期である六月末日に行われる夏越の祓のように、六月に閏が
あれば閏六月だけに行うという逆の例もあります)が、月見のような行事で
あれば、こだわる必要も無いと、二度目の月見もあるようです。
十三夜の月に関しては定かではありませんが、中秋の名月では閏八月があれ
ば、閏八月もお月見をしたようですから、それと同じと考えれば、閏九月十
三夜の月見も有りでしょう。
◇閏九月十三夜は 171年ぶり
日刊☆こよみのページで既に採り上げたのですが、二十四節気の節入り日を
太陽の黄道上の位置(経度)によって決定する「定気」と呼ばれる方式をと
った天保暦とその天保暦を基にした、「いわゆる旧暦」では閏月は夏場に偏
る傾向があり、秋も深まり、初冬と言ってもよいこの時期に閏月が入るのは
希な現象です。
希も希で、現在の旧暦の基となった天保暦が使われ始めた1844年から昨年ま
では、一度も閏九月が登場しませんでした。最後に閏九月が暦の上に登場し
たのは、天保暦が使用されるようになった1年前の1843年(天保14年)が最
後でした。
それ以前に遡って探すと、1767年、1729年・・・と何十年か毎に閏九月が見
つかります。これは二十四節気の節入り日を一年の日数を等分して求める恒
気と呼ばれる現在の定気と違う方式によっていたからです。
では将来は?
残念ながら、すぐに使える旧暦データは2070年分までしか作っていなかった
ので、そこまでしか調べていないのですが、そこまで調べてみても閏九月は
登場してきませんでした。
◇人生最初で最後の二度目の十三夜?
2070年まで調べても閏九月が無いとなれば、私の現在の年齢を考えると私に
とって、二度目の十三夜を体験できるのは今日が最初で最後となるはず。
これは、団子くらいは用意して、お月様を眺める価値がありそうです。
晩秋と言うより、初冬と呼びたくなるような昨今の寒さを考えると、夜は大
分冷え込みそう。月見をするにしても沢山の防寒着を着込まないといけない
とは思いますが、温かくして(或いは温かい部屋の窓から?)月見をするこ
とにいたしますか。
皆さんも今夜、お時間があれば、とっても珍しい二度目の十三夜の月を眺め
てみては如何でしょう。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
日刊☆こよみのページ スクラップブック