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■春告鳥はいずこ?・・・ウグイス前線2015
 【うぐいす】(鶯)
   スズメ目ウグイス科の鳥。大きさはスズメぐらい。
   背面褐緑色、下面白く、白色の眉斑がある。
   低山帯から高山帯の低木林に至るまで繁殖し、冬は低地に移り、市街
   地にも現れる。さえずりの声が殊によい。別名、春鳥・春告鳥・・・
    《広辞苑・第六版より抜粋》

 あ、「コトノハ」なのに「暦のこぼれ話」となっている。
 隅掘り隊報告しなくちゃ・・・と、早とちりしないで下さい。
 本日の記事は、歴とした暦のこぼれ話です。
 本日のタイトルとした「春告鳥」がうぐいすの別名であるという説明をする
 手間を惜しんだ結果です(手間を惜しまずに、自分で書いたらこんなにすっ
 きり的確にはまとまらなかったでしょうしね)。

 さて、春を告げる鳥という異称を持つうぐいす。その声を耳にすると春がき
 たのだなと感じる鳥であることは間違いありません。
 この春を告げる鳥は今はいずこにおわしますか?

◇ウグイス前線
 気象庁では全国の気象官署で植物の開花日や紅葉日、動物の初見日などを季
 節の変化の指標として、統一した基準で観測し、記録しています。こうした
 観測は、植物季節観測、動物季節観測と呼ばれています。
 どんな植物や動物がその観測対象となるかというと

  植物・・・うめ、あじさい、いちょう、かえで
  動物・・・うぐいす、つばめ、もんしろちょう、ほたる、あぶらぜみ

 となっています(気象庁Web http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/)。
 本日話題として採り上げた春告鳥、うぐいすもこの一覧にありますから、気
 象庁のサイトを見れば、春告鳥が今どの辺まで姿を現しているか(その声が
 聞こえるか)を知ることが出来ます。

 今年(2015)はどの辺まできているかと見てみると、本日までにうぐいすの初
 鳴きが観測されたのは、

 ・1/06 南大東島
 ・2/14 大分
 ・2/15 熊本
 ・2/22 松江
 ・2/24 奈良
 ・2/26 那覇、宮崎、
 ・2/27 高知、津
 ・3/02 松山、岡山
 ・3/03 岐阜
 ・3/04 熊谷
 ・3/06 名瀬、福岡、前橋、宇都宮

 大体は、南の方から北上しているようではありますが、名瀬か、松江や奈良
 が那覇より早かったり、名瀬や福岡と前橋、宇都宮が同じだったり、かなり
 ばらついています。早起きのうぐいすもいれば寝坊助のうぐいすもいるので
 しょうか。さすがに今年一年だけでは、

  済みません、つい寝坊しました!

 なんていううぐいすもいるかも知れないので、平均的にはどうかをみてみる
 と、次のようになります。

 ・11月下旬 南大東島
 ・2月上旬 宮古島、福岡、下関、岡山
 ・ 〃中旬 松山、鳥取
 ・ 〃下旬 名瀬、熊谷、高知、熊本、広島、大分
 ・3月上旬 宮崎、那覇、奈良
 ・ 〃中旬 宇都宮、長崎、鹿児島、名古屋、静岡
 ・ 〃下旬 福井、新潟、佐賀、岐阜、山形
 ・4月上旬 金沢、神戸、富山、松江、長野、彦根、和歌山、水戸、銚子、
       京都、津、仙台
 ・ 〃中旬 秋田、函館、稚内
 ・ 〃下旬 室蘭、盛岡、
 ・5月中旬 網走、前橋、福島
 ・6月中旬 青森

 まだ、早起きの家系のうぐいすの住む場所なのかななどと思えてくる場所も
 ありますが、おおむねは南から北へと、春告鳥の声が広がって行く様子が窺
 えます。
 皆さんのお住まいの場所では、いつ頃が初鳴の頃でしょうか。上記のリスト
 から、見当をつけて見て下さい。

◇あれ?
 さて、私の住む東京はいつ頃かな?
 気象庁のサイトで調べてみると・・・残念、うぐいすの初鳴のデータは東京
 にはありませんでした。気象台のある都心ではうぐいすの初鳴は観測できな
 いようです。

 「春告鳥が鳴かないと春は来ない」なんていうことはないでしょうけれど、
 春に春告鳥の声が聞こえないのは、ちょっと寂しいですね。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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