日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■三大厄日からはぐれてしまった八朔
今日から、8月。
月日が経つのは早い。気がつけばあっという間に8月という感じです。
さて、今日の日付は、8月最初の日ですから当然
八月一日 (八月朔日)
一日は朔日とも書きますから、()の中のようにも書けます。
この「八月朔日」を短縮すると「八朔」となり、暦の上では節目の日の一つ
なります。
八朔には、いくつかの意味があるのですが、本日はその中の、荒天(嵐)に
注意する日という意味の八朔についてとりあげてみます。
◇「八朔」は三大厄日の一つ
暦の上では、荒天(嵐)に注意する日というのがいくつかあります。もっと
も有名なのが二百十日。ついで二百二十日が知られていますが、八朔はこれ
らにつぐ第三の厄日で前の二つと合わせて「三大厄日(さんだいやくび)」
と云います。
今は、天気予報の精度が上がってきていますから、暦の上の厄日などに頼ら
ずとも、天気予報を見ていれば台風の動きはわかりますから、三大厄日の役
割は、大分小さくなってきているのですが、それでも二百十日や二百二十日
のほうは、季節の話題として採り上げられることがあります。しかし、八朔
はというと、すっかり忘れ去られてしまいました。
◇立春からの日数と日付との違い
ご存じのとおり、二百十日、二百二十日は立春から数えた日数を表していま
す。立春は二十四節気の日付で、太陽の位置を表していますから、これから
日数を数えて決めた二百十日、二百二十日もほぼ間接的ですが太陽の位置で
決められていると云うことが出来ます。太陽の位置で決められているという
ことは、太陽暦の日付と親和性が高いとも云えます。試しに、昨年〜来年の
二百十日と二百二十日を、太陽暦である新暦の日付で示すと
2014年 9/01,9/11
2015年 9/01,9/11
2016年 8/31,9/10
2020年 8/31,9/10 (おまけ)
となります。ホントにずっと同じなの? 3年分じゃわからないじゃないか
と思われないように、ちょっとだけ離れた2020年の日付もおまけにかいてみ
ました。ご覧のように、二百十日、二百二十日の日付はほとんど変化しませ
ん。
その点、八朔だけは暦の上の日付で決められていますから、旧暦時代に生ま
れた「八朔」という言葉は、太陰太陽暦であった旧暦の作り方に強く依存し
ていていますから、新暦の日付とは隔たりがありそうです。
旧暦の八月朔日を新暦の日付に直して見ると
2014年 8/25
2015年 9/13
2016年 9/01
2020年 9/17 (おまけ)
う〜ん、まちまちですね。9/13や9/01に、
今日は八朔(八月朔日)です
と云われてもなんかぴんときません。
かといって、八朔をそのまま太陽暦の八月朔日(8/1) に置き換えるという
のでは、早すぎます。
多分、そんなこんなで三大厄日の中まで八朔だけ、忘れられてしまったよう
に思われます。可愛そうに、八朔だけ、三大厄日の仲間からはぐれてしまい
ましたね。
八朔は、「暦の日付」に固定した名前にしてしまったこと、後悔しているか
な?
まあ、天気予報の精度が今くらいまで向上したら、他の二つも嵐の接近を警
告するという、役割自体が不要となって、いずれ忘れ去られてゆくことにな
りそうですから、その時は八朔も、
忘れ去られた三大厄日の一つ
として、二百十日、二百二十日と肩を並べることになるかもしれませんね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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