日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■今年の「中秋の名月」は大きめ
少々天気が心配な、今日は中秋の名月。
晴れてくれるといいですね。
それはさておき、本日も中秋の名月を話の種とさせていただきます(話の種
が不足気味ですから・・・)。
◇今年の名月はいつもより大きいの?
昨日の皆様からのお便り紹介でちょこっと触れたのですが、今夜の中秋の名
月の月はいつもより大分地球に近くて、その分大きく見えるはずです。
明日、9/28の午前10時頃に地球と月の距離がおよそ356900kmと最近となりま
すから、その半日前でもかなり近い(今夜、午後 9時の地球と月の距離はお
よそ357200km)。地球と月との平均距離はおよそ384400kmですから、平均に
比べると、月の見かけの直径は1.07倍になるということになります(7%くら
いか・・・なんていわないで下さい)。
と、ここまで書いてみると気になることが。
そう、今年の中秋の名月は大きいって言ったら、歴代何位くらいだろうと、
気になるじゃ有りませんか。
気になったので、1930〜2029の 100年間の中秋の名月、 103回について、地
球と月の距離を計算して比べてみました(月が近いほど大きく見えるわけな
ので距離で比べました)。計算条件は、中秋の名月の日本時午後 9時の時点
での地球中心と月中心の距離です。
近い順に並べた Top10は次のとおり。
No.1 356880km 1935/09/12
No.2 356990km 1997/09/16
No.3 357200km 1944/10/01
No.4 357200km 2015/09/27 ← 今夜
No.5 357210km 1953/09/22
No.6 357420km 2006/10/06
No.7 357800km 1988/09/25
No.8 357950km 1971/10/03
No.9 358380km 2024/09/17
No.10 358510km 2014/09/08
残念ながら表彰台は逃しましたが、4位入賞を果たしました。
3位の1944年と比べるとその差はわずかに25km・・・。惜しい。
ということで、今年の名月は、ほとんどメダル級に大きな名月ということで
す。お供えの団子もメダル級に、大きくしなくっちゃ・・・。
次に、今夜くらい大きな中秋の名月が見られるのは第9位の2024年。9年後
です。
後は、本当に天気次第ですね。
大きなお月様を眺めながら、お月様からのお下がりの大きめの月見団子をほ
おばれることを祈ります。
◇大人の事情説明
・なぜ1930〜2029年で比べたの?
ひとまず、 100年分の比較をしようと思いました。
「次に大きな月が見えるのは」と書くために、少し先まで計算しようと考え
ましたが、2033年まで延ばすと、まだごたごたしそうな旧暦2033年問題が影
響するので、その少し前で打ち止めして1930〜2029年までで比較しました。
・ 100年間で 103回の中秋の名月?
お気づきでしたか?
1930〜2029年の 100年間で比較した中秋の名月の数は 103回。
3回多くないですか???
ちなみに、これは閏八月十五日も中秋の名月に数えたためです。
大体、こうした行事は本月だけで行うことが多いのですが、目出度いことな
ら二回やってもいいんじゃ無いかということで(そうした先例もあるので)
閏八月十五日も加えた結果です。
追加された閏八月十五日があった年は
1957年 , 1976年 , 1995年
の3年でした。
以上、大人の事情(?)説明でした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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