日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■八専と間日
昨日2015/10/03の暦注には「八専始まり」とあり、本日は「八専間日」とあ
ります。二日続けて「八専」の文字が並びましたので、今日はこの八専とい
う暦注について説明してみることにします。
(今回の八専の期間は2015/10/03〜10/14です)
◇「八専」の撰日法
暦注の日取りの計算の方法を撰日法といいます。
撰日法には、途切れること無く循環する「不断」といわれるもの、二十四節
気の節で区切った期間によって数える節切り、旧暦の暦月毎に数え方を変え
る月切りなどが有りますが、八専は日の干支によって決まる暦注です
日の干支とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の60の組み合わせ
を毎日一つずつ割り付けたもので、60日ごとにめぐってきます。例えば今日
は「癸丑(みずのとの うし)」で、明日は甲寅「きのえ とら)」となっ
ています。
八専はこの日の干支の組み合わせによって決められる暦注ですから、その撰
日法は連続して循環するタイプ、「不断」と呼ばれる撰日法によって求めら
れる暦注のひとつです。
八専は日の干支の組み合わせによりますから、60日間に一度は八専は巡って
来ることになります。
大体、この日の干支できまる暦注というのは、その干支(「干」を天干(て
んかん)、「支」を地支(ちし)とよばれます)を五行説に従った解釈の結
果から意味付けられたもので、現代から見ればこじつけ以外の何物でもない
のですが、その迷信を信じている人は多いようです。困ったものです。
五行説(万物を、木火土金水の五つの性質で分類したもの)から見た天干と
地支の性質は、次のように考えられます。
天干 甲乙:木 丙丁:火 戊己:土 庚辛:金 壬癸:水
地支 寅卯:木 巳午:火 丑辰未戌:土 申酉:金 子亥:水
:後に書かれた「木、火・・・」が五行説から見た性質です。
(詳しくは http://koyomi8.com/doc/mlwa/200611180.htm などを参照)
八専は日の干支が壬子〜癸亥までの12日間のうちの 8日間。残り 4日間は八
専の間日(まび)といわれ、例外の日です。
八専は天干と地支の性質が同じになる日が並ぶ時期です。例えば最初の壬子
は、天干は「壬」でその性質は「水」。地支は「子」でその性質はこれもま
た「水」。つまり天干と地支の関係が「水・水」となるわけです。
こうした天干と地支の性質がそろうことを「専一(せんいつ)」といい、八
専は専一となる日が一カ所に集まっている期間です。専一の日は天干・地支
とも同じ性質なので、善いことは更に善く、悪いことは更に悪くなるという
ような増幅効果がある日だと昔の人は考えたのです。ですから、吉事には善
いのですが凶事には注意しなければならないと云うことです。
八専の間日とはこの天干・地支の関係が専一とならないため、この期間の例
外とされています。
八専は六十干支の組み合わせで出来たものですから60日毎に巡ってきます。
暦と云えば日の吉凶判断とばかりにこうした暦注を見ては日の吉凶を気にす
る方が多いのですが、八専など今から見ればただの数字の遊び。
こんなものに振り回されて、道を誤ることのないように。
(日刊☆こよみのページの読者の皆さんは大丈夫でしょうけれど)
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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