日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■初午 (はつうま)
今日の日の干支は戊午(つちのえ うま)。
二月最初の午の日、初午の日です。
◇お稲荷様
江戸時代に、江戸の街に多いものといえば
伊勢屋、稲荷と犬の糞
と言われたそうです。伊勢屋さんと犬の糞は、見る機会が少なくなりました
(かな?)が、赤い鳥居と狐のお稲荷様は今もあちこちに残っています。
立派なビルの屋上にまで、お稲荷様の祠が祀られていることもあるくらい。
もっとも身近な神様なのかもしれません。
このお稲荷様は、開運の神、福徳をもたらす神として多くの人に愛され、有
り難がられた結果なのでしょう。
こんなに親しまれるお稲荷様の祭神は、宇迦御魂神(うがのみたまがみ)と
いう五穀を司る神様です。なじみのある、あの狐が祭神というわけではあり
ません。稲荷(いなり)というその名前は
稲生り(いなり)
のことだそうです。なるほど、五穀司る神に相応しい名前です。ついでに、
あの狐は、お稲荷様が後に仏教の荼吉尼天(だきにてん)と習合されるよう
になり、荼吉尼天が狐に乗る天女の姿で描かれることから、結びついたもの
なのでした。
◇初午はお稲荷様の祭礼の日
初午は、お稲荷様の祭礼の日です。「初午」は二月の初めの午の日の意味で
す。この二月最初の午の日は、元々はもちろん旧暦の二月最初の午の日のこ
とでしたが、現在は新暦の二月最初の午の日が初午の日とされています。初
午の日の祭礼が最初に営まれたのは和銅四年(711年) のことだと言います
から1300年以上も前のことです。
初午の日が、京都の伏見稲荷大社の祭神が稲荷山に降臨した日であったとさ
れることから、この日がお稲荷様の祭礼の日となりました。
その昔、山城の国の大百姓、秦の伊侶具(はたの いろぐ)が戯れに餅を的
にして矢を射ようとしたところ、その餅が白鳥に化して飛び去り、伏見の山
の奥に降り立ちました。驚いた伊侶具が白鳥を追って、白鳥が降り立ったと
おぼしき場所にたどり着くと、その場所から稲が生え出しました。その稲を
見て、大切な餅を的にして矢を射ようとした自分の過ちを悟った伊侶具は、
その地に社を建て、ここに五穀を司る宇迦御魂神を祀ったのが、伏見稲荷大
社の始まりだという伝承があります。
ここで見るように、お稲荷様は元々は農業神としての性格が強かったようで
す。ただ、稲荷山に社を建てて神を祀った伊侶具の子孫が代々、大層繁栄し
たことから、お稲荷様は農業神の枠を越えて、あらゆる福をもたらす開運の
神と考えられるようになったことから、農村でも漁村でも、そして都市部で
も人気があり、現在に続くお稲荷様の大繁盛(?)に繋がったようです。
きっと皆さんの身近にもお稲荷様があって、今日はきっと「「初午」の幟が
翻っているのではないでしょうか?
見つけたら、伊侶具の子孫の繁栄にあやかれるように、お参りしてみましょ
うか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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