日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■明日(2016/3/9)は新月、そして日食
明日は新月。
旧暦では、ようやく二月になります。
二月というと、新暦のの感覚が染みついた身には、まだまだ冬の最中という
感じがしますが、旧暦でいえば春の真ん中の月、大分春めく月となります。
本当に春めく月になってくれるといいですね。
◇月の初めは日食から
旧暦の月の始め、朔日は新月。
新月は、条件がそろえば太陽と月が重なる現象、日食が起こることがありま
す。明日、2016/3/9の新月はこうした条件がそろって、日食が起こります。
明日の日食は、東南アジアやオーストラリア付近の赤道に近い島々では皆既
日食となります。
日本では残念ながら皆既日食になることはないのですが、浅い部分日食なら
ば日本全国で見ることが出来ます。
日本で見える日食の始めと、最大食分及び終わりの時刻を掲げてみると、
札幌 (始め)10:39 (最大食)11:18 食分 0.13 (終わり)11:58
東京 (始め)10:12 (最大食)11:08 食分 0.26 (終わり)12:05
大阪 (始め)10:05 (最大食)10:58 食分 0.23 (終わり)11:53
那覇 (始め) 9:29 (最大食)10:29 食分 0.34 (終わり)11:34
おまけ・・・
父島 (始め) 9:50 (最大食)11:04 食分 0.48 (終わり)12:20
のようになります。
最大食の箇所に書いた「食分」は欠ける度合いを示す数字で、数字が大きく
なるほどかける度合いは大きく、この数字が 1.0を超えると皆既食となりま
す。日本では、父島で0.48と、太陽のほぼ半分くらいまでかけた状態になる
場所もありますが、それ以外は概して浅く、よーく見ないと、気が付かない
程度の浅い日食となります。
◇今回は竜の尻尾
昔の人は、日食は天球の巨大な竜がその頭、あるいは尻尾で太陽を隠してし
まう(頭の場合は飲み込むのかな)から起こると考えていました。
竜の頭と尻尾は、太陽の通り道である黄道と月の通り道である白道の交差す
る点にあり、そのうち月の昇交点と呼ばれる場所には頭が、降交点と呼ばれ
る場所には尻尾があると考えていたようです。
今回の日食の起こる場所は、月の降交点付近。よって、今回は竜の尻尾で太
陽が隠されることになります。
明日の午前中、晴れていれば、太陽を隠す竜の尻尾の形を、確かめることが
できるかもしれませんね。
もちろん、太陽を直接見るのは、目に良くありませんので、十分に安全対策
を行ったうえで、見上げてみてください。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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