日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■暦月の変わり目と六曜
> 9月と10月の月初めに六曜の順番が変わっているようですが、
>六曜は、月が切り替わるときに、順番を変えるものなのでしょうか?
こよみのページに、こんな質問が寄せられました。
六曜は基本的に
・・・大安→赤口→先勝→友引→先負→仏滅→大安・・・
と循環しています。今日は「大安」ですから明日は「赤口」となります。
ほとんどの場合、この「循環」が続いています。
しかし、時折その順番が変わる日があるため、それに気づいた方から、質問
が寄せられたわけです。
今年、2016年の六曜の並びを見てみると、確かに8/31は大安でしたから、そ
の翌日、9/1 は赤口となるところが、実際の暦に書かれた六曜は、友引。
また、9/30は先勝ですが翌日の10/1は先負で、順当な順番であれば来たであ
ろう友引とは異なるものとなっています。
なるほど、暦月が変わるときに、順番が変わっているな
なのです。
そうかそうか、では 7/31〜8/1の間は・・・
とみてみると7/31は先負、翌日の 8/1は仏滅。あれ?
ここでは順番通りで並びが変わることはありませんでした。
なぜ?
さらに、この月初めの辺りの六曜の並びを見てみると
7/31 先負 (※2016の例)
8/01 仏滅
8/02 大安
8/03 先勝 ▲
となっています。最後の▲を付けた 8/3の箇所で六曜の並びが変わっていま
す。
なんだ、六曜の並びが暦月の始めに切り替わるというのは間違いなのか
とがっかりしないでください。
「六曜の並びが暦月の始めに切り替わる」というのは、正しいのです。
ただしその場合の暦月は新暦のではないということです。
2016/8/3,9/1,10/1 と六曜の順番が切り替わった日の旧暦の日付けを見てみ
ると、それぞれ
七月一日、八月一日、九月一日
となっています。
もう思い出しましたようね、六曜の並びは旧暦の月毎に切り替わり、その一
月の間は連続して循環していくのです。
◇六曜と旧暦の月日との関係
六曜の循環が旧暦の月の変わり目で途切れる話しをしましたが、これはこの
六曜が旧暦の月と日の数字で決まるためです。その規則は極めて簡単。
(旧暦の月+旧暦の日)÷6 の余りが六曜
というのがその規則。六曜それぞれの「余り」は
0:大安 , 1:赤口 , 2:先勝 , 3:友引 , 4:先負 , 5:仏滅
となります。
今日(2016/10/03)は旧暦では 9/3です。この月と日で六曜を計算すれば
(9 + 3) ÷ 6 = 2 余り 0
必要なのは余りの数で 「0」。余り 0は「大安」という訳です。旧暦の月が
変わらない間は、日付が 1づつ増えて行くだけですから、この間は六曜は循
環しますが、月が変わるところでこの関係が変化するため六曜も不連続にな
るのです。
◇適度な規則性と、適度な神秘性?
六曜の計算方法は前述したとおり極めて簡単。
占いにはある程度の規則性が必要です(でないと、占うことが出来ませんか
らね)が、あまり単純すぎると有り難みがありません。ある程度の神秘性も
必要です。
六曜は一見循環しているようでいて、時々不意にその循環が途絶えるという
点で、「ある程度の規則性と、ある程度の神秘性」があり、また手軽だとい
うのも手伝って、瞬く間に広がったように思います。
わかってみれば簡単な規則なのですが。
今年はたまたま新暦の 9/1と10/1が旧暦の日付けでも一日にあたっていたの
で、冒頭の質問者のように、六曜は暦月の変わり目で切り替わると考えた方
が現れたわけですね。切り替わりの暦月が新暦のものではなくて旧暦のもの
である必要はありましたが、「暦月の変わり目で切り替わる」は、なかなか
いいところに気が付きましたね、ということでした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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