日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■5/1 祝日と休日とでは大違い?
昨日の官房長官の会見の映像がニュースで流れていました。
そこでは現在の予定どおり2019年の5/1 に皇太子殿下が天皇に即位したとし
た場合の即位の日を「祝日」として扱うのか「休日」として扱うのかを早く
決めてくれないと困るという声がカレンダー業界からあがっているというこ
とが語られていました。
「なるほど!」
私は勝手に、「休日」になるものと思い込んでおりましたので気にしていな
かったのですが、万が一「祝日」になったら、これは結構大変。来年のカレ
ンダー作成作業が止まってしまって、カレンダー業界が困っているのも分か
ります。
◇祝日と休日とで何が違う?
「祝日と休日で何が違うのだろう?」
そう思う方も多いと思いますが、祝日と休日とでは大きな違いがあります。
祝日に関する法律といえば「国民の祝日に関する法律」(以降「祝日法」)
に祝日についての様々な決まりが書かれています。例えば、
第三条(休日)
1 「国民の祝日」は休日とする。
おお、これで祝日には休めるのか!!
(そうでない会社もあるでしょう。そうした会社にお勤めの方は、「一般的
にいって」ですので、お許し下さい)
「祝日が休日になるのであれば、5/1 が祝日でも休日でもどっちでもいい
じゃ無いか?」
そう思ったとしたら、待って下さい。
早まってはいけない。法律(今回は「祝日法」)は最後まで読みましょう。
最後までといっても、前記の条文のちょっと後の行までで結構です。
第三条(休日)
1 「国民の祝日」は休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその
日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」で
ない日に限る。)は、休日とする。
いかがでしたか。違うでしょう?
問題になるのは、第三条3です。
◇2019年の5/1前後の祝日のならびがすごい!
前記の祝日法、第三条3を考えると、2019年の5/1 は大変な祝日と曜日のな
らびになっています。ざっと書くと、
4/27 (土)
4/28 (日)
4/29 (月)昭和の日(祝日)
4/30 (火)
5/ 1 (水)(新天皇即位の日の予定日)
5/ 2 (木)
5/ 3 (金)憲法記念日(祝日)
5/ 4 (土)みどりの日(祝日)
5/ 5 (日)こどもの日(祝日)
5/ 6 (月)休日(振替休日)
いかがでしょうか?
5/1 が祝日か休日かでどう変わるか?
もし祝日となると、4/29は「昭和の日」、5/3 は「憲法記念日」という祝日
ですから、5/1 が祝日だとすると祝日法三条3により、祝日と祝日の間に挟
まれた4/30,5/2 の平日が休日に変わります。
すると、4/28〜5/6までの9日間の大型連休が出現します。土曜日の4/27も含
めると、なんと10日間の超大型連休になります!
もし5/1 がただの、「休日」だと、祝日法第三条3ははたらきませんから、
4/30,5/2 は平日のままで、「大型飛び石連休」に様変わりです。
◇どっちでしょう?
今回の様な行事について、今まではどうしていたでしょう?
何事もまずは「前例主義」ということで、調べて見ると
・昭和天皇の大喪の礼の日 ・・・ 休日
・今上天皇の即位礼正殿の儀の日 ・・・ 休日
・皇太子徳仁親王の結婚の儀の日 ・・・ 休日
このいずれの日についても、それぞれ「即位礼正殿の儀の行われる日を休日
とする法律」のような特別法が作られて、その日1日を休日にしています。
どの日も、「祝日」にはなっていません。
この前例どおりであれば、休日になるのかなと私は思っておりました。
ただ昨今は、なんだかんだと「祝日」を連発したい人達がいるみたいで、そ
の辺が心配。
どうなるんでしょう。
祝日になるにせよ、休日になるにせよ、どちらにしても法律を整備しないと
いけないので、決着はその法律の文面を見ないと分かりません。
カレンダー業界に限らず、なんとなく気になる話題ですね。
御蔭で、本日はこの話が書けましたけれど。
皆さんは、「祝日」or「休日」、どちらになると思いますか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
日刊☆こよみのページ スクラップブック