日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■春と秋の彼岸の気温
「暑さ寒さも彼岸まで」
そう言いたいところですが、東京は一昨日、昨日と時ならぬ寒さの中にあっ
て、都心でも雪模様の空でした。
話が違う!
といいたいところですが、どうやら今日からは気温も上がって春らしくなる
とのこと。一応まだ彼岸の期間は明けていませんから、暑さ寒さも・・・を
違うじゃないかというのは早計かもしれませんね。
閑話休題
今年の東京の寒の戻りはちょっと例外的だった考え、ここからは一般的な年
のこととして話を進めましょう。
「暑さ寒さも彼岸まで」は彼岸の頃になれば、春ならば余寒の寒さも薄らぎ
春らしくなり、秋ならば残暑もしのぎやすくなる時期であると昔から言い習
わされて来た言葉です。
彼岸が春と秋にあり、この言葉も春の彼岸、秋の彼岸を同等に扱った言葉の
ようですが、我々の感じる暑さと寒さには多分に「慣れ」の問題があって、
温度計の示す気温とは違っているようです。
「暑さ寒さも彼岸まで」といえば、暑い時期も寒い時期も彼岸辺りで終わり
となってあとは快適な気温の過ごしやすい季節となるという意味で使ってい
ます。ですが実際の気温の変化を見てみると、春と秋とでは大違い。
理科年表のデータから30年分の東京の月平均気温を平均して、
春の春分と、秋の秋分
の気温を比較すると大違い。春の彼岸の時期の平均気温は摂氏 8°。
対して秋彼岸の平均気温は23°。
その差は15度ほどもあります。
15度の気温差といえば大変なものですが、寒い冬を越した春分の彼岸と暑い
夏の後にやってくる秋彼岸は、人間にとってはどちらも「過ごしやすい」と
とらえられようです。数字で見ると大分違いますけれど。
こうしてみると、人間の慣れってすごいですね。
というか、人間て随分アバウトな生き物と言うべきでしょうか。
アバウトな人間的には、「過ごしやすい季節」なら、なんでもいいですけれ
どね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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