日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■秒速1mの旅
明日は大寒、寒い季節もいよいよその底の底に達するわけです。
辛い寒さはまだまだ続きますが、それでも底が判るとこの寒さの先も見えた
気がしてほんの少しだけホッとした気持になるものです。
そんなホッとした気持になって振り返ると、そういえばこの冬はまだ本格的
な雪を目にしておりません。私の住んでいる場所は東京の中でも雪の少ない
海に近い地域なので、不思議ではないのですけれど、東北出身の私からする
と、雪のないのは冬の風景としては物足りない感じです。
寒さは苦手と言いながら、雪の降る眺めは案外嫌いではない私ですので、そ
ろそろ雪の降る様子を眺めて見たいなと思っています。大寒ともなれば、流
石に雪の降る日がやって来るでしょうね。
◇六花の旅
雪はその結晶の形から、六花(りっか、りくか、ろっか)とも呼ばれます。
地上に花の少ない季節に、天からこの六角形の花が送られて来ます。
雪の生まれ故郷は地上2km付近にある雲の中。
ここで生まれた六花は一路、地上へと向かって降下を始めます。
空から地上へ向かう雪の旅の速度は、毎秒1mほどだそうです。
毎秒1mで2kmの道のりを旅するのですから、雪の地上への旅はおよそ30分。
この30分の旅の間に、雪は吹く風に流され、時にはバラバラとなって風花と
なり、また時には同じ旅を続ける仲間と一つになって、大きなぼた雪となっ
て降ってきます。
雲を離れて地上までの30分の旅の間、雪はどんな風景を眺めているのでしょ
うか。様々な風景を眺め、その記憶を地上に届けてくれるかな。
冬もどうやら、その半ばを過ぎました。
残りの半分の冬の間に、何度、雪の旅を目撃することになりますか。
あんまり沢山降られると困ってしまいますが、それでも雪が降る日には、降
る雪を見上げて、秒速1mの旅の有り様を想像して見ようと思います。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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