月の名前(暦月の別名・異称)
月の名前(暦月の別名・異称)
 一年十二ヶ月、一月から十二月と月に順番をつけて呼べば事足りますが、一月が暦に書かれた最初の月と言うだけではあまりに味気ない。
 一月は新しい年を迎えるめでたい月であって、また春が近づいてくることを感じる月でもあります。
 五月には水田に広がる緑の早苗を見て、九月には紅葉した山を見る。
 それぞれの「暦月」は、そうした生活の記憶で彩られています。

 今回は、そうした暦の上に置かれた月の名前の別名・異称を集めてみました。集めるだけ集めて分類もなにもしていません(力不足です・・・)が、眺めているだけで楽しい名前もたくさんあります。
 お時間のある時に、のんびりご覧ください。

  • おまけ機能
    本や、話しの中に知らない月の異称が現れたときなど、それが何月を表すかを調べる際には下の検索機能をご活用ください。
    「月名」or「読み」に該当する(一部分でも可)月を検索します。

    探したい月名 or 読み  (例 うめ)
一月(正月)~三月は、旧暦時代は春の季節とされていましたので、月の名前にもそれに類する名前が多く見られます。
一月
暦月名読み
睦月むつき
建寅月けんいんげつ
孟春もうしゅん
霞初月かすみそめづき
暮新月くれしづき
早緑月さみどりづき
三微月さんびづき
太郎月たろうづき
子日月ねのひづき
初空月はつそらづき
初春月はつはるづき
初見月はつみづき
王春おうしゅん
開歳かいさい
開春かいしゅん
解凍かいとう
嘉月かげつ
華歳かさい
月正げっせい
元月げんげつ
献歳けんさい
献春けんしゅん
歳始さいし
歳首さいしゅ
主月歳しゅげつさい
首歳しゅさい
上春じょうしゅん
初月しょげつ
初歳しょさい
初春しょしゅん
初陽しょよう
始和しわ
新春しんしゅん
青陽せいよう
泰月たいげつ
大簇たいそう
端月たんげつ
年端月としはづき
肇歳ちょうさい
年初ねんしょ
発歳はつさい
方歳ほうさい
芳歳ほうさい
甫年ほねん
睦月むつき
昵月むつき
陬月むつき
孟陬もうすう
孟陽もうよう
履端りたん
二月
暦月名読み
衣更着きさらぎ
建卯月けんぼうげつ
仲春ちゅうしゅん
如月きさらぎ
梅津早月うめつさつき
梅津五月うめつさつき
梅津月うめつづき
梅見月うめみづき
小草生月おくさおいづき
木の芽月このめづき
中の春なかのはる
初花月はつはなづき
雪消月ゆきげづき
為如いじょ
殷春いんしゅん
華朝かちょう
花朝かちょう
酣春かんしゅん
橘如きつじょ
夾鐘きょうしょう
恵風けいふう
降入こうにゅう
春半しゅんはん
春分しゅんぶん
星鳥せいちょう
大壮月たいそうげつ
仲序ちゅうじょ
仲鐘ちゅうしょう
仲陽ちゅうよう
美景びけい
陽中ようちゅう
令月れいげつ
麗月れいげつ
令節れいせつ
三月
暦月名読み
弥生やよい
建辰月けんしんげつ
季春きしゅん
早花咲月さはなさきづき
早花月さはなつき
花咲月はなさきづき
花津月はなつづき
花見月はなみづき
春惜月はるおしみづき
夬月かいげつ
佳月かげつ
嘉月かげつ
花月かげつ
華節かせつ
花飛かひ
花老かろう
禊月けつげつ
穀雨こくう
姑洗こせん
五陽ごよう
載陽さいよう
桜月さくらづき
蚕月さんげつ
修禊しゅうけい
修病しゅうへい
宿月しゅくげつ
春抄しゅんしょう
春章しゅんしょう
称月しょうげつ
清明せいめい
竹秋ちくしゅう
殿春でんしゅん
桃月とうげつ
桃浪とうろう
桃緑とうろく
祓月はらえづき
晩春ばんしゅん
病月びょうげつ
杪春びょうしゅん
暮春ぼしゅん
暮陽ぼよう
暮律ぼりつ
末春まつしゅん
末垂まつすい
夢見月ゆめみづき
四月~六月は、旧暦時代は夏の季節とされていました。
四月
暦月名読み
卯月うづき
建巳月けんしげつ
孟夏もうか
卯花月うのはなづき
得鳥羽月えとりはづき
木葉採月このはとりづき
夏初月はつはづき
夏端月はつはづき
花残月はなのこりづき
維夏いか
陰月いんげつ
槐夏かいか
乾月けんげつ
乾梅けんばい
圉余ごよ
始夏しか
修景しゅうけい
首夏しゅか
純乾じゅんけん
純陽じゅんよう
小満しょうまん
初夏しょか
新夏しんか
正陽せいよう
清和せいわ
清和月せいわづき
跡踵せきしょう
仲呂ちゅうりょ
鎮月ちんげつ
麦秋ばくしゅう
乏月ぼうげつ
余月よげつ
六気りくき
六陽りくよう
立夏りっか
五月
暦月名読み
皐月さつき
建午月けんごげつ
仲夏ちゅうか
稲苗月いななえづき
早稲月さいねづき
賤男染月しずおそめづき
授雲月じゅうんづき
田草月たぐさづき
多草月たぐさづき
橘月たちばなづき
月不見月つきみずづき
吹喜月ふききづき
浴蘭月よくらんづき
悪月あくげつ
梅の色月梅のいろづき
雨月うげつ
鶉月うづらづき
開明かいめい
啓月けいげつ
啓明けいめい
こう月こうげつ
※「こう」=女偏+「后」
写月しゃげつ
小刑しょうけい
星花せいか
盛夏せいか
長至ちょうし
梅夏ばいか
梅月ばいげつ
梅天ばいてん
榴月りゅうげつ
芒積ぼうせき
茂林ぼりん
厲皐れいこう
六月
暦月名読み
水無月みなづき
建未月けんびげつ
季夏きか
青水無月あおみなづき
弥涼暮月いすずくれづき
風待月かぜまちづき
三伏之秋さんぷくのあき
涼暮月すずくれづき
蝉の羽月せみのはづき
鳴雷月なるかみづき
鳴神月なるかみづき
波達羅盈月はだらえづき
松風月まつかぜづき
常夏月とこなつづき
炎陽えんよう
季月きげつ
極暑きょくしょ
庚伏こうふく
鶉火じゅんか
常夏じょうか
焦月しょうげつ
小暑しょうしょ
水月すいげつ
積夏せきか
則旦そくたん
旦月たんげつ
長夏ちょうか
長列ちょうれつ
遯月とんげつ
晩夏ばんか
晩月ばんげつ
未月びげつ
伏月ふくげつ
陽氷ようひょう
林鐘りんしょう
七月~九月は、旧暦時代は秋の季節とされていました。
七月
暦月名読み
文月ふづき
建申月けんしんげつ
孟秋もうしゅう
秋初月あきそめづき
女郎花月おみなえしづき
七夕月たなばたづき
棚機月たなばたづき
七夜月ななよづき
文被月ふみひろげづき
愛逢月めであいづき
夷則いそく
槐秋かいしゅう
瓜時かじ
享菽きょうしゅく
上秋じょうしゅう
初秋しょしゅう
処暑しょしょ
親月しんげつ
新秋しんしゅう
相月そうげつ
早秋そうしゅう
素商そしょう
大晋たいしん
窒相ちっそう
肇秋ちょうしゅう
桐月とうげつ
桐秋とうしゅう
否月ひげつ
蘭月らんげつ
蘭秋らんしゅう
流火りゅうか
涼月りょうげつ
冷月れいげつ
八月
暦月名読み
葉月はづき
建酉月けんゆうげつ
仲秋ちゅうしゅう
秋風月あきかぜづき
草津月くさつづき
葉落月はおちづき
木染月こぞめづき
濃染月こぞめづき
ささはなさ月ささはなさづき
染色月そめいろづき
竹の春たけのはる
月見月つきみづき
燕去月つばめさりづき
紅染月べにそめづき
雁来月かりきづき
観月かんげつ
寒旦かんたん
橘春きつしゅん
きょ月きょげつ
※「きょ」=月偏+ 「去」
迎寒げいかん
桂月けいげつ
桂秋けいしゅう
秋高しゅうこう
秋半しゅうはん
深秋しんしゅう
豆雨ずう
清月せいげつ
清秋せいしゅう
盛秋せいしゅう
壮月そうげつ
素月そげつ
竹春ちくしゅん
仲商ちゅうしょう
長五ちょうご
天岡てんこう
南呂なんりょ
剥事はくじ
白露はくろ
九月
暦月名読み
長月ながつき
建戌月けんじゅつげつ
晩秋ばんしゅう
色取月いろどりづき
彩る月いろどるつき
小田刈月おだかりづき
菊月きくづき
菊の秋きくのあき
菊間月きくまづき
菊見月きくみづき
梢の秋きずえのあき
青女月せいじょづき
竹酔月ちくすいづき
寝覚月ねざめづき
紅葉月もみじづき
祝月いわいづき
詠月えいげつ
季秋きしゅう
季商きしょう
季白きはく
朽月きゅうげつ
窮秋きゅうしゅう
九秋きゅうしゅう
勁秋けいしゅう
玄月げんげつ
高秋こうしゅう
歳晏さいあん
残秋ざんしゅう
終玄しゅうげん
授衣じゅえ
粛霜しゅくそう
凄辰せいしん
霜辰そうしん
天雎てんき
剥月はくげつ
杪秋びょうしょう
杪商びょうしょう
無射ぶえき
暮秋ぼしゅう
暮商ぼしょう
末秋まつしゅう
末垂まつすい
十月~十二月は、旧暦時代は冬の季節とされていました。
一年の最後の時期でもあり、それに関する異称も多くあります。
十月
暦月名読み
神無月かんなづき
建亥月けんがいげつ
孟冬もうとう
神去月かみさりづき
雷無月かみなかりづき
鏡祭月きょうさいげつ
神在月かみありづき※※
神有月かみありづき※※
御忌おいみ※※
※※は出雲地方での呼び名
小春こはる
小春月こはるづき
時雨月しぐれづき
鎮祭月ちんさいげつ
初霜月はつしもづき
小六月ころくがつ
応章おうしょう
応鐘おうしょう
開冬かいとう
亥冬がいとう
吉月きつげつ
極陽きょくよう
玄英げんえい
坤月こんげつ
始冰しひょう
小陽春しょうしょうしゅん
上冬じょうとう
初冬しょとう
新冬しんとう
正陰月せいいんづき
早冬そうとう
大月たいげつ
大素たいそ
方冬ほうとう
陽月ようげつ
立冬りっとう
良月りょうげつ
十一月
暦月名読み
霜月しもつき
建子月けんしげつ
仲冬ちゅうとう
顔見月かおみせづき
神楽月かぐらづき
神帰月かみきづき
神来月かみきづき
霜降月しもふりづき
霜見月しもみづき
露隠端月つゆこもりのはづき
雪待月ゆきまちづき
雪見月ゆきみづき
竜潜月りゅうせんづき
一陽来復いちようらいふく
天正月てんしょうづき
黄鐘おうしょう
葭月かげつ
広寒こうかん
辜月こげつ
朔易さくえき
三至さんし
子月しげつ
周正しゅうしょう
章月しょうげつ
正冬せいとう
盛冬せいとう
達月たつげつ
短至たんし
暢月ちょうげつ
天泉てんせん
冬半とうはん
畢辜ひっこ
復月ふくげつ
陽復ようふく
風寒ふうかん
十二月
暦月名読み
師走しわす
建丑月けんちゅうげつ
晩冬ばんとう
梅初月うめはつづき
乙子月おとごづき
弟子月おとごづき
親子月おやこづき
暮来月くれこづき
暮古月くれこづき
年積月としつむづき
果ての月はてのつき
春待月はるまちづき
雪月ゆきづき
黄冬おうとう
弟月おとづき
嘉平かへい
橘ときつと
※「と」= サンズイ +「余」
季冬きとう
窮陰きゅういん
窮紀きゅうき
窮月きゅうげつ
窮凋きゅうちょう
窮冬きゅうとう
窮稔きゅうねん
苦寒くかん
月窮げっきゅう
玄きょうげんきょう
※「きょう」=木偏+「号」
厳月げんげつ
玄律げんりつ
極月ごくげつ
さ月さげつ
※「さ」= 虫偏+「昔」
茶月さげつ
残冬ざんとう
三冬月さんとうづき
三余さんよ
四極しきょく
小歳しょうさい
除月じょげつ
清祀せいし
大呂たいりょ
凋年ちょうねん
天晧てんこう
冬索とうさく
と月とげつ
※「と」=サンズイ+「余」
二之日にのひ
汎月はんげつ
氷月ひょうげつ
杪冬びょうとう
暮歳ぼさい
暮節ぼせつ
暮冬ぼとう
臘月ろうげつ
臈月ろうげつ

(記述 2005.06.23)

後日追記 (2005.07.03)
ゆうさんから教えて頂いた17の名前(異字を含む)を確認の上、追加しました。
情報ありがとうございました。
余 談
月の異称なんていっても、まあたいしたことはないと思っていたがそうではありませんでしたね。
あんまり沢山ありすぎて「分類」はあきらめました。そのうち出来たらいいですけど。
※記事更新履歴
初出 2005/05/05
修正 2005/07/03 17の名称追加(「ゆうさん」からの情報)
修正 2023/01/20 (スクリプト修正)
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