暦と天文の雑学 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0651.htm http://koyomi8.com/ こよみのページ
←目次へ戻る  ☆この記事の評価は記事末
しし座流星群
    1998年に母彗星である「テンペル・タットル彗星」が回帰してから毎年話題になるしし座流星群(獅子座流星群と書く人もいますが、「しし」ですよ)。今年(2001年)も、ニュースで取り上げられるほどになってきました。
 既に予想される今年のピークまで2日を切ってしまったのですが、このページにしし座群の情報を求めて訪れる方もおりますので、泥縄で直前情報を書いてみます。
●流星群とは
 特定の時期に、天球の一点(・・狭い範囲)から流星が出現することがあります。これを「流星群」と呼び、しし座群以外にも流星群夏のペルセウス座流星群、冬のふたご座流星群など、主なところで20位の流星群があります。
 流星群についての解説は、またいずれするとして、今回はしし座群についての話しに移ります。
 
●しし座群はなぜ騒がれる?
 数多ある流星群の中でしし座群だけがこんなに騒がれるのはなぜかというと、これはしし座群の華々しい経歴があるからです。
 流星群の出現においても、「1時間に数千個の流星が流れる」ようなすごい出現を流星雨(meteoric shower)呼びます。また「1時間に数万個の流星が乱れ飛ぶ」ような大出現も過去にはあり、こういったすごい出現を流星嵐(meteoric stom)と呼ぶことがあります。流星嵐は1世紀に1度あるかないかと言うようなものですが、しし座群は1966年に1時間あたり15万個というような流星嵐を出現させたことがあるのです。しし群は他にも1833年にも流星嵐を起こしたことがある流星群ですがら、「再び」の期待がかかるわけです。
 
●新しい予測方法の出現
 ほんの2〜3年前までは流星群の出現頻度は過去の統計値に頼る(あとは母天体の軌道と地球軌道の接近時期)予測だけでしたので、「当たり外れ」が大きく、正確な出現のピークを示すことも出来ませんでした。
 この状況は、D.Asher(アッシャー)博士が母天体の軌道ではなく、流星の元になる塵(ダスト)の集団の軌道を個別に計算する予測法を発表したことで一変しました。
 彗星が塵をまき散らすのは太陽に近づいて表面が蒸発することによるのですが、アッシャー博士は、彗星が太陽に近づいた年毎にまき散らした塵の位置を個別に計算する事によって、流星群の出現時期を割り出せるはずと考えたのです。もちろん、これには膨大な計算が必要ですが、幸い計算機がこれを実現できるまでになったのです。
 
●アッシャー予測の精度
 アッシャー予測にしても前提となるダストの位置推定などに誤差がありますので、外れる可能性だってあります。ですが、1999年、2000年の予測結果と実際の観測結果をみると、「驚異的な的中率」だったのです。どのくらいの精度だったかというと、なんと「数分の誤差」だったのです。
 流星群の出現ピークの予測など「1日や2日は外れて当たり前、全然流星の出現がないと言うような、大はずれだって良くある」と思っていた私などにすればまさに驚異です。
 ここまで当たると、アッシャー博士の予測方式の信憑性は極めて高いと言えそうです。
 
●今年(2001)のしし座群は?
 今年のアッシャー予測は、かなり期待できる数値が並んでおります。ひょっとすると「流星雨」が・・・。
アッシャー予測ライチネン予測
出現日時出現数出現日時出現数
11/19 02:24ZHR=200011/19 02:33ZHR=2000
11/19 03:13ZHR=800011/19 03:22ZHR=6100
表中のZHR とは、「理想的条件下で肉眼で確認できる明るさの流星が1時間あたりどれだけ出現するか」と言う数値。実際は理想的な条件が揃うのは難しいでしょうし、1人で全天を見ることも出来ないので、実際に見ることの出来る数は、ここまで多くはありませんが、たとえ1/10だとしても、今年の予想数はすごいですよね。
 
●どっちにみえる?
 11/19の0時ごろ、しし座群の輻射点が東の空から昇り始めますのでこのころからぼつぼつ流星が見え始めます。予想の前後に余裕を持つとすれば1時から4時くらいまで、東側の空を中心に眺めていれば、100や、200の流星は御覧になれそうです。それどころか、ひょっとすると「流星雨」を体験できるかも・・・。
 
●記念写真を
 高感度のフィルム(ISO800〜1600くらい)とバルブ撮影(シャッターをあけたままに出来る機能)の出来るカメラと三脚(+ストッパー付きのレリーズもあれば、なお良い)があれば、流星写真を撮すことが出来ます。カメラを空に向けて数分間シャッターを開けておけば、運が良ければその写野を明るい流星が通過するとそれが移ります(この辺は運もありです)。今回の予測くらいの数の流星が出現すれば、運が悪くても一つや二つは写ると思いますよ。「数撮せば写る?」
(星だから「望遠レンズ」、夜だから「ストロボ」・・・は間違いですよ。カメラのレンズは標準レンズ〜広角レンズ。絞りは開放または、1段位しぼる程度)
 
●もっと詳しく!
 こよみのページは、「流星群のページ」ではないのであまり詳しく書きませんので、もっと情報が欲しいという方は、
  日本流星研究会(しし座流星群情報)
  宮崎県天文協会(1998年の流星及び流星痕の写真)
などを御覧ください。
 さて、晴れて「流星の雨」が拝めるといいですね。


謝 辞
 今回の記事を書く上で、宮崎天文情報ネット・吉村様のメールニュース「天文情報」の記事を参考にさせていただきました。有り難うございます。

■この記事を評価してください(最高5 〜 最低1)
  良 →  やや良→  普通→  やや悪→   悪 →
■2010.6.1〜現在までの 読者評価   , 閲覧数 

←目次へ戻る
  【↑】前の話題 秋の七草
  【↓】次の話題 土用丑の日(ウナギの日?)
こよみのページ http://koyomi8.com/(http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0651.htm) 暦と天文の雑学