このページは暦注計算で表示する暦注に関する説明を載せています。

「暦中計算」では、よくたずねられる主な暦注の日付計算ルーチンを載せて行きます。
皆さんの要望が多いものから、少しづつ追加してゆきます。 
(追加の希望は、koyomi37@yahoo.co.jp までどうぞ)

掲載暦注とその説明 (その2)

以下、その他の欄の記述

  • 二十四節気(にじゅうしせっき)
    旧暦時代の暦日と季節を合致させるために考案されたもの。現在は黄経を15度毎に区切り、この黄経を視太陽が通過する日にそれぞれ割り振られている(定気法)。
    二十四節気に関する詳しい計算は、二十四節気計算を、解説は二十四節気とはを参照されたい。
  • 土用と節分(どようとせつぶん)
    土用は、五行説から来た暦注で、井戸掘りや、土動かしに関する忌み日とされる。四立(立春・立夏・立秋・立冬)の直前の18〜19日間。現在は視太陽が黄経27,117,207,297°を通過する日を土用入りとしている。土用の明け(最終日)は四立の前日であるのでこの日は、「節分(季節を分ける)」にもあたる。
    土用の期間と間日の計算については、土用と間日の計算をお使い頂きたい。また、暦の雑節にも関連の解説あり。
     
  • 三隣亡(さんりんぼう)
    三隣亡とは、現在は建築に関しての忌日とされている暦注。
    節切りによる旧暦の月(節月)と日の十二支の組み合わせによって配当される暦注。
    一・四・七・十月 亥(い)の日
    二・五・八・十一月 寅(とら)の日
    三・六・九・十二月 午(うま)の日
    ただし古い暦注には三隣亡ではなく「三輪宝」と書いてあり、家を建てるにはよい日となっている。暦注の転記ミスから「吉日」が「凶日」に転じてしまったものでは無いかとも考えられる。
    あまり気にしてもはじまらない。
     
  • 一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち)
    物事を始めること、仕事始め、開店、種まきなどの吉日(大吉)。ただし、借金などは後々増えて苦労する日とされる。他の吉日と重なれば効果は倍増、凶日と重なると効果半減と云われる。
    宣明暦時代から使われた暦注。貞享改暦後は暦注から外れたが、現代になり再び復活。
    選日法は、節切りの旧暦の月と日の十二支の組み合わせで決まる。現在は次の表に示す二通りの選日法(T,U)が主に使われる。この「暦注計算」では「T」の組み合わせによった。
    節月TU 節月TU 節月TU 節月TU
    正月丑・午 二月酉・寅 三月子・卯 四月卯・辰
    五月巳・午 六月酉・午 七月子・未 八月卯・申
    九月酉・午 十月酉・戌 十一月亥・子 十二月卯・子
     
  • 不成就日(ふじょうじゅにち)
    事を起こすこと全般の凶日。結婚、子供の命名、転居、契約などには特によくない日と云われる。
    旧暦月切の月と日付の組み合わせによる選日。組み合わせは以下のとおり。
    旧暦月旧暦の日付旧暦月旧暦の日付
    正月・七月3 , 11 , 19 , 27 四月・十月4 , 12 , 20 , 28
    二月・八月2 , 10 , 18 , 26 五月・十一月5 , 13 , 21 , 29
    三月・九月1 , 9 , 17 , 25 六月・十二月6 , 14 , 22 , 30
    暦注としては比較的新しいもので、文字通り何をやってもうまく行かない凶日であるとされる。まあ、作るために作った暦注という気もする。
  • 八専(はちせん)
    日の干支の組み合わせによる選日。壬子〜癸亥までの12日間。この間、日の十干と十二支の五行が同じ配当となる日が8日あることから、八専と言われる。
    元々は軍事上の忌日であったが後に、吉事は更に吉・凶事はさらに凶となる日とされるようになった。
    間に、干支の五行が揃わない 4日(癸丑、丙辰、戊午、壬戌)があり、これを八専の間日言う。間日は八専の障りの無い日と考えられる。
     
  • 十方暮(じっぽうぐれ)
    日の干支の組み合わせによる選日。甲申〜癸巳までの10日間。この間、日の十干と十二支が互いに相剋となる日が8日あり、この間は何をやってもうまく行かない期間とされる。
    間日は丙戌と己丑の2日。ただし、八専の間日のように取り立てて「間日」とは書かないようである。
    暦注としては比較的新しい部類で、江戸時代は重要視された凶日。十方暮は天地八方全てが闇に閉ざされると言うことのようである。一説には「途方に暮れる」の語呂合わせとも言われる。
     
  • 天一天上(てんいちてんじょう)
    日の干支により定まる選日。癸巳〜戊申の間の16日。方角に関する禁忌を生み出す天一神が天上に去る為、方角に関する禁忌が無くなる期間と考えられた。「方違え」の多くは地上に天一神が在る場合の方角の禁忌を避けるもの。
    迷信の中の迷信と言えそうである。
     
  • 大土・小土(おおづち・こづち) 別名 大犯土・小犯土
    日の干支の組み合わせによる選日。庚午〜丙子の間の7日間。小土は大土の終わりから1日開けて戊寅〜甲申までの7日間を言う。この間は井戸掘り、築堤、築墓、種まきなど、土を動かすこと全般の忌日とされる。
     
  • 三伏(さんぷく)
    選日法は、夏至(あるいは、夏至と立秋)と日の十干の組み合わせによる。初伏、中伏、末伏とあり、その選日法はいくつか在るが計算では、次の選日法を採った。
    初伏夏至後の3度目の庚の日
    中伏夏至後の4度目の庚の日
    末伏立秋後の最初の庚の日
  • 臘日(ろうじつ)
    もとは狩猟の獲物を先祖に捧げると言う中国の風習が伝わったもの。
    小寒後二度目の辰の日、大寒に近い辰の日、冬至の後三度目の辰の日などの選日法がある。「暦注計算」では小寒後二度目の辰の日とした。
    神事・嫁取りなどの凶日とされる。また、この日を年の暮れとして大祓えなど行うこともあり、大晦日(おおつごもり)と呼ぶこともあった。
     
特別な干支の日
  • 甲子(かっし,かし,こうし,きのえね)
    六十干支の最初。五行説でも「木水」の組み合わせで相生。このため目出度い日とされ、この日に祭り(甲子祭)をするなどの風習があった。
  • 庚申(こうしん)
    庚申の夜に人体に潜む三尸(さんし)の虫が天に昇って宿主の人間の悪行を天帝に報告するという中国の道教の伝説から、この日は神々を祭って夜通し酒盛り・会食する庚申待ち、宵庚申などの風習があった。
  • 辛酉(しんゆう)
    庚申と、辛酉はともに干支が「金」の気を持ち、気が冷たく停滞し、やがて大きな変革が起こる日として忌日とされた(辛酉の年は、政治的な大変革の年としておそれられ、たびたび改暦が為されている。ちなみに、神武天皇即位の年として「皇紀元年」とされた年は辛酉の年である)。
  • 己巳(つちのとみ)
    弁財天の使いである蛇(巳)の日を、弁財天を祭る日として祝った。日本独自の風習。
暦注の解説 (その1)
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