雪の夜の二題
(2002.1.30[水])
満月
仕事を終えて、外へ出る。 今日一日、積もっては融け、融けては積もった雪の残りが車を覆っていた。 エンジンをかけ、暖まるまで待つ。
待つ間、車を降りて夜の駐車場を歩く。 東の空には、飛び去る雪雲の隙間から満月が見えた。
相似形
風にゆれる柳の葉が、雪に思えたことがある。 街灯の光の中を、風に揺れながら落ちる雪片は、川面にきらめく波を思い起こさせる。 川面の波は、草原を吹き分ける風を連想させる。
柳の葉、雪片、波、草原の風 心を捉えるものは、どこか似た相貌を持っている。
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夜の雪
(2002.1.29[火])
| 夜半より雪が降り出した。 いつものように、お互いの一日について家内と話し、その電話を終える頃に窓ガラスに白い雪片が映って見えた。 日付の変わる少し前の時間。
いつの間にか居眠りをしていた。 気がつくと3時少し前。 HPの計算で手を加えたい箇所があるので、起き出して修正。 書き直したプログラムの虫取りが何度か続き、アップロードが終わったのが5時。 夜明け前の寒気が部屋の中にも忍び込んでくる。
外の様子が気になり、ベランダから表を見ると、街灯に照らされた駐車場が、白く闇の中に浮かんでいた。
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春となり
(2002.1.26[土])
大寒を過ぎたが、どうしたわけか今年の舞鶴に雪は無い。 舞鶴に赴任してきて1年目、2年目とも「記録的な」雪を経験し、今年もと身構えていたのに、今年は拍子抜けだ。
とはいえ、雪はなくとも寒いことは寒い。朝、外へ出るには幾分の覚悟がいる。その覚悟が出来ぬまま炬燵で丸くなっていると、目の前のサッシの磨りガラスに緑の影が映っていた。 部屋に引っ込んだ他の仲間から離れ、一人ベランダで頑張る鉢植えの葉が、遅い朝日に照らされているのだ。 その暖かそうな緑の影に誘われ、炬燵から抜け出して窓を開けると、山の陰から昇ったばかりの日の光を気持ちよさそうに受ける葉っぱがあった。
間もなくこよみの上では立春。この時期を人は気も早く春隣と呼ぶ。暖かな春がもうすぐ隣まで来ていると期待を込めて呼ぶのだろう。 春隣、寒さの中にベランダの葉っぱも春を予感しているのかもしれない。 春隣、そしてもうすぐ春となり。
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成長の証?
(2002.1.22[火])
今月末で、サーバーホスティングの契約が切れるので更新することになる。
現在はWebサーバー用30Mbyte,メール用10Mbyteの契約である。 このHPを始めた時には、30Mbyte もあれば、絶対不足することはあるまいと思っていたのだが、あれから1年半。 気がつけば、現在の使用容量は27Mbyte を超えてしまった。何時の間に。 ダイエットも考えたが、そんなに無駄遣いしている訳ではないので大量に減らせる見込みは無い。 今後のことも考えると、今回の契約更新はちょうど良い潮時なのかも知れない。容量を増やそう。
容量の悩みは見方を変えれば「HPの成長の証」なのかも。喜ぶことにしよう。
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戴きもの
(2002.1.21[月])
| 先週末、嬉しい戴きものがあった。 重陽の節供や、秋の七草などの記事を書いたあとで、いくつか指摘してくださった方からである。 「呉茱萸と訶子の実が手に入ったので」 として、香袋の体に仕立てた物を贈ってくださった。 梱包された箱を開いた瞬間、初秋の照葉樹の木々の姿が脳裏に浮かぶ。 何処でであったか思い出せないが、どこかで記憶したような懐かしい香り。
茱萸嚢と訶梨勒。いずれも無病と息災を祈るためのものであるとか。 送り主の方とは何度かメールを交換しただけで面識は無い。だが、この文を書いている机に置いた二つのいただき物を見る度、香りを感ずる度、優しい心遣いを感じる。
机上の贈り物は今も芳香を放ち、私に初秋の照葉樹の木々の姿を運んでくる。 |
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星が降る
(2002.1.12[土])
星が降る、そんな陳腐な表現しか思い浮かばないような星空だった。
舞鶴を出て6時間、3:00AM。無事勝浦に到着。 車を降りると、西の空に木星が見えた。少し離れてオリオン座のベテルギウス。 さしもの1等星ベテルギウスも、真夜中の明星の前では色あせて見える。 一呼吸置いて目が慣れ始めると、木星の前に霞んでいた他の星々が怖ず怖ずと姿を見せ始め、ついには星が降る空へ。 久しぶりに、「星空」を見た気がした。
夜が明ければ、3日間の連休。何をして過ごそうかと考えながら、もう一度空を見上げた。
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掲示板の1,000の書き込み
(2002.1.11[金])
昨日、古い掲示板を読み返したところ、投稿番号がいつの間にか1,000を超えていた。 掲示板主体のサイトなら1年半かかって1,000などというのはお笑いぐさなのだろうが、「いつ見てもここの掲示板は静かだな」と思っていた私にしたら、びっくりする数だった。 このHPを開設して現在で1年と9ヶ月。たった1年9ヶ月だが、初期のメッセージやメールを読み返すと、随分昔のもののような錯覚に陥る。ネットの中の時間は現実の世界より早く流れているのかも知れない。
わずか2年に満たない期間ではあるが、この間にリンクを張っていたいくつかのサイトは閉鎖されたり、行方知れずになってしまったりしている。
「1年前、2年前に訪れたサイトが、まだ存在している、それだけで凄いことだ」
どこかのサイトで読んだことがあるが、リンク切れを見つける度にそのことを実感する。 「HPを作ることがいやになった」と管理者が閉鎖に至った理由を知らせてくれた場合もあった。いつの間にか無くなってしまったものもあった。 このHPもいつかは無くなるだろうが、それはいったい何時のことだろう。どんな理由でだろう。今はまだその時期もわけも知らない。 今はただ、「あ、まだあったんだ」と来年も再来年も思っていただけたらな、と思って作り続けている。
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雪が来る日
(2002.1.8[火])
一月に入り、雪の降る日が増えた。正しくは「雪が舞う」かもしれない。 年明け早々に一度20cmの積雪があった以外は積もるほど降ることが無い。「降る」はそぐわない気がする。
雪が舞う日は、その前触れのように強い風が吹く。 風はやがて雪雲をつれ、雪雲から雪をつれてくるわけである。 雪の珍しい地方ならいざ知らず、雪国では雪はあまり嬉しいものではない。それでも雪が舞い散る瞬間には、目が奪われてしまう。
竹藪が揺れ、竹の葉が擦れ合う音とともに風がやってくる。 雪雲の白い前哨が青い空を覆い始める。 眼は風が運ぶ最初の雪のひとひらを探し始める。
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雪の舞鶴へ
(2002.1.4[金])
舞鶴に戻って来た。 心配していた雪も大したことは無く(積雪10cm位かな?)、何とか4日の出勤には間に合う時間に。 本当は3時には到着したのだが、久しぶりに快適な通信環境に戻ったため、勝浦では見送っていた細かな保守など行っていたらこの時間に。
明日は、ごく普通の出勤時間(08:30)であるからぼちぼち寝ないと。 そういうわけで、「新年の挨拶」はまた日を改めて書くことにして、ひとまず「お休みなさい」。 (とはいえあと2時間で、起床時間だな?)
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2001年最後の日記(?)
(2002.1.1[火])
気がついたら、2002年になってしまった。 2001年の最後の最後の日記は、年が改まってからとなってしまったが、まだ大晦日の夜の延長と考えて、大目に見ていただきたい。
年末年始の休みで勝浦へ戻ってきているが、気がついてみると休みはあと3日ほど。過ぎて行く時間は早い。 昨年末の休みでここへ戻っていた頃のこともつい昨日のことのように思い出される。が、やはり1年は確実に経過している。私にとってそれを証明する最大のものは、隣の部屋で眠っている生後2ヶ月の赤ん坊である。 「2人だったのが、倍になったんだものね」と妻が感慨深げに呟いていた。明日は、倍になった家族4人で初詣に出かけることになる。新しい年が良い年であるようにと。 皆さんも良いお年を迎えますように。
追記. 一年の最後ということで、ちょっとだけ私の写真を載せてみます(影だけですが)。
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