意を尽くさず
(2002.9.26[木])
書は言を尽くさず、言は意を尽くさず。
肉筆であれば文字の癖が書き手の体温を伝えることもあろうが、メールのやり取りとなると一つ一つの言葉以外、自分と相手を繋ぐものがない。 そして、また一つ失敗してしまった。
あれから数日が過ぎ振り返ってみれば、自分の思いを正確にと言うことばかりに気を取られ、相手の意を汲むことを疎かにしていた。 悔やんでもどうにもならないことなのだが。
或る人より寂しき事をけふ云はれ 夜寝入るまで心破れつ (鈴木 金二)
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スポーツの秋、かな?
(2002.9.24[火])
近頃めっきり過ごし易くなり閉め切った体育館で行うスポーツ、気候に関係なさそうなバドミントンにも良い季節となった(着替えるシャツの量が激減)。 と言うことで、今回はいつもと雰囲気の違う人間の写った写真。
9/22,23の 2日間、所属するクラブの恒例の合宿があり、かわうそも参加。 楽しい2日間を過ごしてきた(本宅で、育児に悪戦苦闘中の家内には申し訳ないと思いつつ)。 本日は打ち上げと言うことで、最後は恒例のダブルス大会。写真はその中の一枚。 手前はクラブの会長Y氏+H嬢対、シングルス大好きF氏+M氏の対戦。関係者には実名を出さずともこれで判るな。
かわうそは何処にと言えば、写真を撮しているので写っていない。写っていたら尻尾でそれと判るのに残念である。そして、この2日で目一杯疲れたかわうそはこれ以上日記を書く元気も無いのでこの辺で今日の日記を閉じる。ではまた。
追記. さて、次回からはまたいつものかわうそ日記かな?
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走ってるんですけど?
(2002.9.20[金])
この文を書き始める数分前及び二十数分前の2度、 「ちょっとすみません」 と同じように声をかけられた。記念写真のためにシャッターを押してほしいと言うことだ。
ところは同じ、H離宮公園の入り口にあたる橋のたもと。記念写真のポイントとしてはなるほどと思える場所である。 こんなことくらいお安い御用、もちろん「はい、チーズ」と恥ずかしいフレーズを口にしてシャッターを押した。 被写体は、いずれもご婦人の団体(もう少し、若い方だったらなという思いは、そっと胸にしまって)。
「いやー、良いことをした。良い昼休みだった・・・?」
何か変だぞ。そのときの私の姿は、
「Tシャツ + 短パン + ジョギングシューズ」
さて、私は何をしていたか?
1.散歩していた ・・・ 不正解 2.走っていた ・・・ 大正解
そう、走っていたの。それも軽やかに(本人談)。 周囲に歩いている人がいないわけでもないのに、なぜわざわざ走っている人間に、写真撮影を頼むのかな(それも行きと帰りの2度も)と思ったところで、一つの疑念が。
「周りからは、歩いているように見えたのかも・・・」
気づかなければ良かったかな 傷心のかわうそでした。
追記. 平日の昼休み、H離宮公園のお堀(正確には「ドブ」)の脇を歩いているように見えるかわうそを見かけたら、写真撮影は依頼しないでください。 本人は走っているつもりですから(軽やかにね)。
再度追記. おっと、勤務時間だ!
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わかっていない
(2002.9.17[火])
「ひとりで行きな!」
地元の神社の祭り、宵宮にあわせて出ている夜店に行きたいと言う子供に言った。 夕食の時から、小学校1年の長男は「行きたいな、行きたいな」と盛んに言う。こちらもそのつもりであったが、出がけにアクシデント。 伝い歩きを始めたばかりの次男がテーブルの上のお茶をひっくり返した。幸い、大分さめてぬるま湯になったお茶で、直接かかった訳でも無いのでひっくり返した本人は、こぼれたお茶をふく親をきょとんとしてみている。 出かけようとしている矢先に「余分な仕事を」と思いながらあとかた片づけしているところに、長男が
「行きたいな、行きたいな」
と言う。余分な仕事が片づいたら連れていってやろうと思っていたところに言われて、思わず最初の一言が出た。 状況がわかっていないことを怒ってしまった訳だ。 「わかった、行くよ」と息子は言ったが、神社までの1kmの街灯もない道を一人で行ける訳もなく、床を拭き終わってからみんなで出かけた。 夜店はほんの数件、寂しい限りであったがそれでも中を覗いて綿飴とリンゴ飴を買った息子は楽しそうだった。
子供たちの寝た後、家内と話をした。 「多分、わかってなかったと思うよ」 と、長男とのことについて家内が言った。お茶をこぼしたのは長男ではないし、夜店に行きたい一心の長男はお茶がこぼれたことにも気づかなかったかも知れない。 彼にとっては、ただ「行きたいな」と言っただけでなぜ怒られたのかわからなかっただろうし、怒った方にしても単にいらついて怒っただけ。子供のために叱ったわけではなかった。
「わかってなかったと思うよ」
わかっていないのは、私の方だった。
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あれから一年
(2002.9.12[木])
昨年の今頃は、兵庫県と鳥取県の間の小さな漁村にいた。雨にぬれるベンチの写真が添えられた、古い日記でそれとわかる。 日記は、ニューヨークの国際貿易センタービルが倒壊する映像を見ながら書いたものであった。
あれから一年。 すぐにも犯人を捕らえると言う目論見で始まった報復戦は未だその成果を見ず、いつの間にか米国国民の怒りは、政権維持の道具にされてしまっているようで、嫌な感じだ。
正義、正義の連呼の中で、正義を求めているようでいながら、本当はだれも正義など望んではいないのかも知れない。 そんなことを考えながら、アベリアの花を映す雨の日のベンチ脇を通り過ぎた。
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臙脂色の傘
(2002.9.10[火])
朝、駅へ向かう道の途中、角を曲がると臙脂色の傘が目の前にあった。。 反対から歩いてきた人と行き会ってしまったのだ。
さして広くも無い歩道で、避けようとして右へ行くと向こうも右(私から見て)へ、左へ行けば左、そしてまた右と3度繰り返してから、双方の足が止まる。
「すみません」
どちらからと無く、同じ言葉が出た。 その後でやっと頭が回るようになり、軽い会釈の後に、今度は左右に道を空けて歩き出す、傘がぶつからないように。
袖擦りあうも他生の縁、だとするといつの世にか何かの縁のあった人だったのだろうか。歩き出してからそんなことを考えた。だとしたら、悪い関係では無かったようだ。 「すみません」と相手の声を聞いて、角を曲がる前より、少しだけ気持ちが朗らかになっているのだから。
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百日紅
(2002.9.5[木])
秋風が吹きはじめたと思ったのも束の間、再び夏の陽気が戻ってきた。 とは言え、これから暑さが増して行く頃とはやはり趣が違う。去り際にふと残り惜しんで夏が振り返ったと言った風情の暑さ。季節も去り難さを感じるのか。
毎朝通勤途中に通る公園の草や木も、今はほとんどがその花を終わらせ、実を結びつつある。実りの秋は穀物に限った話しではない。葉の色も真夏に見た逞しい濃緑ではなく、少しくすんだ色に見えるのは陽射しの強さが変わってきたためだろうか。 八月の半ばには沢山の薄紅色の花をつけていた百日紅(さるすべり)、その名のとおり花期の長いこの樹の花もその数が減り、色合いも落ち着いた朱華色(はねずいろ)に。
こちょぐりの樹(くすぐりの樹)の別名を持つ百日紅、通勤途中に見上げた今朝の華は、微かな風に揺れていた。樹をくすぐった今朝の風は夏の風だったか、それとも秋の風だったのか。
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不愉快な電話・・・私は怒っている
(2002.9.2[月])
日曜日、平和に千葉の自宅で過ごしていると電話が鳴る。
- 私
- もしもし、鈴木ですが
- 某
- こちらは××住宅ですが、いまのお部屋は賃貸ですか、持ち家ですか?
- 私
- 持ち家ではありませんが、なんの話ですか?
- 某
- 持ち家ではないと。そこにお住まいになってどれくらいですか?
- 私
- なんのことでしょう、家の販売と言うことでしたら興味がありませんし、時間もありませんので失礼します。
・・・電話を切る・・・・ 迷惑な電話だなと思っていたら、また電話が。 - 私
- もしもし、鈴木ですが
- 某
- どうして電話を勝手に切るんですか。人の話を聞きなさいよ。さっきの人もそうでしたけど、家を買わないかっていう話じゃなんだよ。最後まで聴きなさい。
- 私
- (あんな電話を受けたら誰だって家のセールスだと思うわなと思いながら)じゃあどんな用件なんですか
- 某
- それは最後まで聴けばわかります。
- 私
- 用件も、自分の名前も名乗らない(会社名は言ったけどね)人の話なんか聞く気がありません。切ります。
- 某
- 勝手に切るな(怒鳴り声だったような)。あんた人の話も聞かずに勝手に電話を切るなよ。十九や二十歳のガキじゃ無いんでしょう
・・・この辺から、言葉が高圧的でぞんざいな感じに・・・ - 私
- 二十歳よりは大分老けてますけど、二十歳としたってあなたに電話の応対を説教される筋合いはありません(心の中で、「あんたにだけは説教されたくないぞ」と思いながら)。用件を言わないなら切ります。
- 某
- 何で切る切るって言うんだ。わかった、これからすぐ名刺を持ってそっちへ行くから待っていなさい。30分以内に着くから。
- 私
- もしいらしたとしてもこんな不愉快な電話をかけてくるような方の話を聞く気はありません。それに幸い、これから出かける予定がありますので、30分後にお見えになってもいません。悪しからず。
- 某
- じゃあ、何時頃帰るんですか。
- 私
- はっきりとはわかりませんが、10時頃かな?
- 某
- それじゃ、明日行きます。
- 私
- 来ないでください。それに明日は平日。来ても仕事に行っていていません。
- 某
- それなら出勤前に行ってやるから、ちゃんと話聞けよ(ガチャン)
・・・某の方から電話を切る・・・ とっても不愉快。さっさと出かけて気分直しをしようと、ラケットをもって出かける。 でも最後に「出勤前に行ってやる」と言っておきながらこっちの出勤時間も確かめず電話を切る迂闊さは何となく可笑しい。 さて一夜明けて今朝、本当に来るのかなと思っていたが結局姿は見えず。 電話の対応がまともに出来ない人に、電話の対応で説教され、ただ不愉快になっただけの事件でした。 追記. 書いてしまったら少しすっきり。 なお、会話については記憶している限りで正確に再現したつもりでしたが、私自身途中からは大分腹を立てておりましたので、不正確な点があるかも知れません。ご了承を(まあ、先方がこの日記を読んでいるとは思えないし、多少文言が違っていても誰にも影響は無いでしょうね)。 まあ、何かトラブルになったとき、経緯をメモしておくだけでも有効な証拠となると聴いたこともあるので、メモ代わりに日記に付けてしまった。
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