7つの願いが叶うって?
(2007.7.5[木])
メール友達から、次のような内容のメールが届きました。
> 知人からまわってきました☆チェーンメールではないそうです。 > みんなの願いが叶いますよーに☆:*・゜ > > from NASA Hubbell Telescope. Make 7 wishes. > > ナサのハブル望遠鏡撮影。 > 「7つの願いをこめて」 > 「この写真はナサの天体望遠鏡で撮影されたもので、3000年に一度と > 言われている大変珍しい 現象です。 > これは「神の目」と呼ばれています。 > この目を見つめる者には多くの奇跡が訪れるといわれており、見るも > のがこれを信じる信じないは関係なく、7 つの願いが聞き届けられる > と言われています。 > > とにかく試してみて、どのような変化があるか、見てみてください。 > この知らせを、「そのかたの願いが叶いますように」と思いを込めて、 > たくさんの方とシェアして下さい☆自分だけで独り占めはしないこと。 > > 今日から七日までが最も強いパワーだそうです。
『チェーンメールではないそうです』 とありますが、間違いなくチェーンメールです。 内容からするといわゆる「幸福の手紙」というものですね。 送ってくれたメール友達は、「添付されていたはずの画像が開けない」と残念がっていたので、サービスとしてその画像を張っておきましょう(ということで、この画像です)。 確かに大変美しい写真です。
上記の引用文の「Make 7 wishes」で検索するとこの引用文とほぼ同じものがあちこちのブログで見つかりました。多くは画像も貼り付けられていました。 多分、一時期でも「天文少年・天文少女」時代を過ごしたことがある方なら、この画像を見ればピンと来ると思います。それだけ有名な天体の写真です。
正体は、みずがめ座の惑星状星雲 NGC7293。 通称「螺旋星雲」(英名 The Helix Nebula)。
地球から 450光年先にあり、地球から最も近い惑星状星雲として有名です。その不思議な螺旋状の形状が印象的です。空の暗いところなら双眼鏡や、小型の望遠鏡でも結構見える星雲です。
from NASA Hubbell Telescope. と有りましたので、ハッブル望遠鏡の画像集を探しに行くと、元になった画像が見つかりました。オリジナルの高画質の画像は、次のURL で手に入ります。 http://hubblesite.org/gallery/album/entire_collection/pr2004032b/
件のチェーンメールの文面を見ると、「ナサ」とか「ハブル」とか如何にも翻訳しましたといった感じ。元となったらしい文面を探すと、
> from NASA Hubbell Telescope. Make 7 wishes. > > This photo was taken with the aid of NASA telescope, and > it only happens every 3000 years. It is called the eye of > God. A lot of miracles happened to those that have gazed > upon this, so make 7 wishes, even if you do not believe in > it, and see what happens, what changes in your life.
こんなものが見つかりました。チェーンメールは伝達するうちに少しずつ文面が変化することがありますので完全にオリジナルで有るとは言えませんが、まあ日本語になる前のものはこんな内容だったのでしょう。
それにしても不思議なのは、確かに美しい写真で「神の目」と言われてもそうかなと思うほどではありますが、昔からよく知られた天体である螺旋星雲が
「3000年に一度しか起こらない珍しい現象」
になってしまうのはなぜかと言うこと。 多分30年以上前には既に見ていたと記憶する私はなに? ひょっとして、3000年毎に一度、ただし3000年間継続して、見える現象なのかな・・・。 写真は本物でも、解説は偽物ですね。
そんな蛇足とも思える作り話を付け加えなくとも螺旋星雲の姿は美しく、神秘的です。 また、太陽のような星が数十億年かけて進化した最後の姿だと思えば、3000年に一度なんていう如何にも人間が考え出しそうな「壮大な尺度」を遙かに超越した本当に「壮大な」宇宙の営みを感じさせてくれます。
こうした本当にすごいことを、おかしな作り話で人間の尺度に矮小化して語って欲しくないというのが私の率直な感想です。
まあ、今回のチェーンメールで螺旋星雲の美しい姿を多くの人が眼にしたとすれば、それ自体は結構なことですが、「蛇足の話」でおかしな方向に興味が向かないように、取り上げさせて頂きました。
追記. 送ってくださった Kさんへ。 こんな事書いていますが、私は気にしていないので、 Kさんも気にしないでくださいね。 それどころか、滞りがちなかわうそ日記が更新出来るいいチャンスを頂いたと思っています。 あ、よいことが起こるって、このことだったの?
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自然発生説
(2007.7.4[水])
職場に池があります。 池として作られたわけではないのです。 そこに生えていたフェニックスの木が台風で倒れ、 その根の跡が池になったものです。 自然発生的な池です(?)。
そして池ができると様々な生物が自然に発生し、 にぎやかになっています。 現在は金魚が30匹ほど。 はじめからこんなにいたのではありません。 増えました。
アメンボも10匹ほど。 こっちも、いつの間にか増えています。 自然発生&自然増殖です。
これから日差しが強くなり日陰の無い池では、 金魚やアメンボが難儀をするなと思っていたら、 またしても、日陰を作る布袋葵が生まれて、 池の面に浮かんでいます。
生まれたての布袋葵は小さくて弱々しかったのに、 いつしか立派な花までつけて、すっかり池の住人。 これから夏に向かって、金魚たち同様、増殖する様子。
これからもこの不思議な池には、新たな生き物が発生するか? アリストテレスの時代に戻って、 興味深く観察を続けたいとおもいます。 何か新しい生き物が増えるときには決まって、 池の畔の草の上に足跡らしきものが残っていますが、 そんなことは気にしないことにします。 だって、ここは自然発生説の生きる池ですから。
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