暦と天文の雑学
http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0300.html
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2000年問題と閏年(うるうどし)
「そんな騒ぎもあったな」と懐かしく思い起こせるコンピュータの西暦2000年問題(Y2K問題とも言いましたが、どっかのファスナー会社の経営問題とは違います)。一旦年があけて、どうやら心配したような事態にはならなかったようだと思っていたら、「第2の2000年問題」とかいって、「コンピュータが2000年の閏日を正しく認識出来ずに誤動作するんじゃないか」と言った話がなされるようになりました。実際にも多少のトラブルは発生したようです。
ところで、この話で「はて?」と思った人はいませんでしたか。だって私は子供の頃「4で割り切れる年は閏年でオリンピックがある。」と教えられたような記憶があるので、そこから言うと2000年は、
と、閏年の条件を満たしているように見えますよね。なのになぜコンピュータが誤動作するのかな。
実際2000年は現在の暦(グレゴリウス暦)から言うと閏年の「例外の例外」みたいな特殊な年ではあるのですが・・・。では、その「例外の例外」のからくりを見てみましょう。
「ややっこしい!」なんて言わないでください。これはなかなかよく考えられたうまい方法なんです。この「ややっこしい」話の原因は、「太陽年は365.2422日」であるためなのです。くせ者は小数点以下の数字。「来年の元日は1月1.2422日だ」なんてことを言っていたんじゃ人との約束をする度に電卓をたたかなければならなくなります。カレンダー作るのだって大変だ。
なんとか、1年の長さと1日の長さの折り合いをとる方法をと考えた結果、前述のような規則が出来たわけです。どのくらいうまく折り合いが付くかは次の計算を見てください。
この結果を見れば、ややっこしいことをするだけの価値はありそうでしょう?
と言ったわけで、西暦2000年は3の「例外の例外」に該当するめづらしい年(400年に1度!)なのです。その辺の4年に1度巡ってくるような普通の閏年と一緒にしてもらっちゃ困るんだな、これが。
と言うことで「第2の2000年問題」が心配されたわけですね。いやー、何事もなくてほんとによかった。
やっぱり人間は偉いもので「400年に1度」しか起こらない例外の例外に対してもちゃんと予防措置を執っていたと言うことですね。ただ1つだけ残念なことは、そんな偉い人たちと、「閏年?、4年に1度だよね」なんて言う不届きなものの作ったプログラムが結果的には「2000年は閏年」という同じ結果を出してしまうってこと。偉い人が多かったか不届きものが多かったかが判るのは100年後の2100年3月ですね。
余談:
グレゴリウス暦への改暦は、1582年に行われましたので、「例外の例外」となる閏年は1600年についで今回で2度目でした。興味があればグレゴリウス暦への改暦・1600年ぶりの大改革もご覧ください。
「そんな騒ぎもあったな」と懐かしく思い起こせるコンピュータの西暦2000年問題(Y2K問題とも言いましたが、どっかのファスナー会社の経営問題とは違います)。一旦年があけて、どうやら心配したような事態にはならなかったようだと思っていたら、「第2の2000年問題」とかいって、「コンピュータが2000年の閏日を正しく認識出来ずに誤動作するんじゃないか」と言った話がなされるようになりました。実際にも多少のトラブルは発生したようです。
ところで、この話で「はて?」と思った人はいませんでしたか。だって私は子供の頃「4で割り切れる年は閏年でオリンピックがある。」と教えられたような記憶があるので、そこから言うと2000年は、
- 4で割り切れる年で、シドニーでオリンピックがある
と、閏年の条件を満たしているように見えますよね。なのになぜコンピュータが誤動作するのかな。
実際2000年は現在の暦(グレゴリウス暦)から言うと閏年の「例外の例外」みたいな特殊な年ではあるのですが・・・。では、その「例外の例外」のからくりを見てみましょう。
- グレゴリウス暦での閏年の決め方
- 1.閏年とは
- 西暦年が4で割り切れる年は閏年(オリンピックのことは書いてない:作者注)
- 2.閏年の例外
- 上記、1であっても西暦年が100で割り切れる場合は、閏年としない。
- 3.閏年の例外の例外
- 上記、2であっても西暦年が400で割り切れる場合は、閏年。
「ややっこしい!」なんて言わないでください。これはなかなかよく考えられたうまい方法なんです。この「ややっこしい」話の原因は、「太陽年は365.2422日」であるためなのです。くせ者は小数点以下の数字。「来年の元日は1月1.2422日だ」なんてことを言っていたんじゃ人との約束をする度に電卓をたたかなければならなくなります。カレンダー作るのだって大変だ。
なんとか、1年の長さと1日の長さの折り合いをとる方法をと考えた結果、前述のような規則が出来たわけです。どのくらいうまく折り合いが付くかは次の計算を見てください。
- (検証)グレゴリウス暦での閏年の決め方
- 1.閏年とは
- 西暦年が4で割り切れる年は閏年
計算:4太陽年:1460.9688日
:暦の日数:1461日
:年毎の差 0.0078日 (約11分:約130年で1日の誤差) - 2.閏年の例外
- 上記、1であっても西暦年が100で割り切れる場合は、閏年としない
計算:100太陽年:36524.22日
: 暦の日数:36524日
: 年毎の差 0.0022日 (約3分:約460年で1日の誤差) - 3.閏年の例外の例外
- 上記、2であっても西暦年が400で割り切れる場合は、閏年。
計算:400太陽年:146096.88日
: 暦の日数:146097日
: 年毎の差 0.0003日 (約26秒:約3200年で1日の誤差)
この結果を見れば、ややっこしいことをするだけの価値はありそうでしょう?
と言ったわけで、西暦2000年は3の「例外の例外」に該当するめづらしい年(400年に1度!)なのです。その辺の4年に1度巡ってくるような普通の閏年と一緒にしてもらっちゃ困るんだな、これが。
と言うことで「第2の2000年問題」が心配されたわけですね。いやー、何事もなくてほんとによかった。
やっぱり人間は偉いもので「400年に1度」しか起こらない例外の例外に対してもちゃんと予防措置を執っていたと言うことですね。ただ1つだけ残念なことは、そんな偉い人たちと、「閏年?、4年に1度だよね」なんて言う不届きなものの作ったプログラムが結果的には「2000年は閏年」という同じ結果を出してしまうってこと。偉い人が多かったか不届きものが多かったかが判るのは100年後の2100年3月ですね。
余談:
グレゴリウス暦への改暦は、1582年に行われましたので、「例外の例外」となる閏年は1600年についで今回で2度目でした。興味があればグレゴリウス暦への改暦・1600年ぶりの大改革もご覧ください。
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