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【遊び草】(あそびぐさ)
 柳の異称。 《広辞苑》より

 さて、コトノハに採り上げるようないい言葉がないかなと考えながら、昔撮
 した写真などをぱらぱら眺めていると、風に吹き上げられる柳の枝を撮した
 写真が出てきました。

 ああ、これは初夏の河原を散歩しているときに撮した写真だと思いだし、今
 日のコトノハの題材はこれにしようと決めました。
 いきなり「柳」では驚かれそうなので、採り上げた言葉は柳の異称、遊び草
 です。


 私は「柳」と言う言葉を聞くと、風に揺れる柳の枝葉が思い浮かびます。
 柳に風の連想は私に限ったことでないようで、柳には風にまつわる異称がい
 くつか有ります。風見草や遊び草がそれです。そういえば、「柳に風」なん
 ていう言葉もありますね。

 柳には風と言ったイメージが強いせいか、垂れ下がったままコソリとも動か
 ない柳の枝など見るとなんだか異形のものを見てしまったようにさえ思えて
 しまいます。例えば前髪を長く垂らした幽霊の姿とかですね。
 動かない不気味は話はひとまず置くとして、遊び草の話に戻りましょう。

 遊び草と呼ばれる柳の葉が風に揺れ動く様は千変万化して、見ていて飽きる
 ことがありません。風に揺れる柳は本当に楽しそうですから。
 遊ぶ子どもの姿は終日眺めていても飽きませんが、楽しそうに風と戯れる柳
 の姿にもそれと通じるところがあるのかもしれません。

  世の中は柳で暮らせ

 なんて言葉もあります。
 肩肘張らず、緩やかな風には楽しげにその葉を揺らし、木々を吹き折るよう
 な強風はひょうひょうとやり過ごす、そんな遊び草のような生き方が出来た
 らいいですね。


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