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【獅子身中の虫】(しし しんちゅうの むし)
 獅子の身中にすんで、これの恩恵を蒙っている虫が、かえって獅子の肉を食
 ってこれに害毒を与える意。
 仏徒でありながら仏法に害をなすもののたとえ。また、内部にいて恩恵をう
 けながら、害をなすもののたとえ。出典『梵網経』  《広辞苑》

   獅子身中の虫、自ら獅子の肉を食う。余外の虫に非ざるが如し。
   是の如く、仏子自ら仏法を破る。
   外道天魔の能く破壊するに非ざるなり。

 虎は死んでも、その姿を畏れるので他の動物たちはこの死骸を食い荒らすこ
 とがない。しかしその恐ろしい虎もやがてその身から現れた虫によって食い
 荒らされついには骨となってしまうことから、仏法を破るものは外道天魔と
 言った仏法の外にあるものではなく、仏法の内部に有るものだと言う意味で
 す。

 組織を破壊するものは、組織の外にいるのではなくて、内にいるのだと言う
 意味にとれます。

 昨日何度もニュース映像として流れた自民党の代議士会の模様。
 普段なら「シャンシャン大会」であるはずの同会は珍しく荒れ模様。閣僚経
 験者であるいわゆる大物議員が立て続けに安倍首相の退陣要求ととれる発言
 を行っていました。

 こうした発言をする者を、首相は「獅子身中の虫」と考えたかもしれません。
 また、こうした発言をした人たちは、首相自身が自民党にとっての獅子身中
 の虫だと考えたのかもしれません。

 さて、国民から見た場合には、国を食い荒らす獅子身中の虫はどっち?
 「どっちもどっち」でなければいいのですけれど。

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