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【獺祭】(だっさい)
 1.カワウソが多く捕獲した魚を食べる前に並べておくのを、俗に魚を祭る
   のにたとえていう語。
 2.転じて、詩文を作るときに、多くの参考書をひろげちらかすこと。正岡
   子規はその居を獺祭書屋と号した。
 《広辞苑》

 今日の記念日データによれば、本日は正岡子規の忌日で、糸瓜忌あるいは獺
 祭忌であるとのこと。
 その獺祭忌にちなんで本日のコトノハは、「獺祭」を採り上げてみました。

 カワウソが獲物を食べる前に並べておく姿が、あたかも人間が物を供えて祭
 っているようだと言うことで、「獺が祭る」と言う言葉になった物です。
 ついでに魚まで付けて「獺祭魚(だっさいぎょ)」と書いても意味は同じ。
 暦の世界には、この「獺祭魚」と言う言葉が登場します。
 それは七十二候の一つ、

  獺祭魚(たつうおをまつる) ・・・ 雨水の初候。新暦2/19頃

 です。現在よく使われる日本風の、本朝七十二候には入っておりませんが、
 暦が中国から輸入された時代から、中世の宣明暦(せんみょうれき)あたり
 までは、この言葉が使われていました。

 冬が終わり、川の氷が融けてようやく思うさま河で漁が出来るようになり、
 喜々として魚を捕らえた獺が、獲物を恭しく並べる姿を目にする頃という意
 味で、七十二候に採り上げられたものと思われます。
 獺が、一心に獲物の魚を並べる姿を想像したら、こちらまでなんだか嬉しく
 なってしまいますね。

 一心に調べものをして、気が付けば周囲は開いたままの参考書で足の踏み場
 もないと言った人の様子もまたこれに似ています。違うことは、喜々として
 いるのは、調べものをしている当人だけで、それを眺める周囲の人間には、
 単に散らかっているだけと、冷ややかな眼差しを向けられることくらいでし
 ょうか?
 獺祭の話を書いてきたので、ついでにおまけ情報を一つ。

  なぜ「かわうそ@暦」なのですか?

 と私のHNについて質問されることがあります。
 それに対する答えは、

  私の部屋の有様を見ればわかります。

 です。ただし、実際に見せろと言われたら・・・。
 たまには片付けることにします。ということで「かわうそ@暦」なんです。


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