日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【十三夜に曇りなし】
名月といえば、八月の十五夜と九月の十三夜(ともに旧暦)の月。
八月十五日の中秋の名月の方がもちろん有名なのですが、旧暦の八月十五日
というと、九月の上旬から十月の上旬頃。この時期の日本には台風が接近す
ることが多いので、天気が悪いことが多く
中秋の名月、十年に九年は見えず
と言う言葉があるほど。本日のコトノハで取り上げた十三夜の言葉はこれと
は対照的。「十三夜に曇りなし」と文字通り月が見える率が高いことを言い
表しています。
天候という面からみると、十五夜より十三夜の月に分があるようです。
徒然草にも
九月十三日は婁宿(ろうしゅく)なり
この宿清明なる故に月を翫(もてあそ)ぶに良夜とす。
とあります。
ちなみに婁宿は二十八宿、月が宿る二十八の宿、の一つです。
徒然草が書かれた時代の二十八宿(実際は「牛宿」をのぞいた二十七宿を使
っていました)の計算方式では、九月十三日は「婁宿」決まっていました。
「この宿清明なる故に月を翫ぶに良夜とす」とはありますが、毎月の婁宿の
日が晴れるという保証はありませんから、この話は九月十三夜に限ってのこ
とを書いているのだと思います。
では実際の九月十三夜の天候はというと、必ずしも「曇りなし」とはいえま
せん。それなりに曇りだったり雨だったりあるので、「曇り少なし」くらい
が本当のところです。
さて今夜の十三夜の月はどうかな?
本日のコトノハのとおり、「十三夜に曇りなし」となって欲しいものです。
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