日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【品格】(ひんかく)
1.物のよしあしの程度。しながら。
2.品位。気品。「―のある女性」
《広辞苑》
「品格」は2006年のユーキャン流行語大賞を獲得した言葉(この年の大賞は
この「品格」と「イナバウアー」でした)で、流行の濫觴は藤原正彦氏の著
作『国家の品格』。
書籍の販売部数伸び悩みがささやかれる昨今にあってベストセラーとなった
本のタイトルです。 200万部以上も売れたといいますから、日本では50人に
1 人以上の人がこの本を読んだことになります(あるいは、買ったことに?)。
出版界では二匹目、三匹目のドジョウを狙って、様々な「品格本」が相次い
で出されましたが、それもそろそろ落ち着いてきたようです。
さて、一時の流行語として取り上げるにはなんだか引け目を感じてしまうこ
の言葉をもう少し見てみましょう。
広辞苑の説明に現れた、品位と気品を更に引いてみると
【品位】(ひんい)
人に自然にそなわっている人格的価値。
【気品】(きひん)
どことなく感じられる上品さ。けだかい品位。
とあります。
なるほど、人に自然にそなわっている人格的価値ですか。
言葉の意味を理解して、では自分はと物差しを自分に当ててみると、これは
ちょっと辛いですね。物差しの目盛りを読んだとたんに、穴があったら入り
たい(手頃な穴が無い場合は、掘らないといけない・・・)。
でもこれは、「自然にそなわっている」ものだとのことですから、無いのは
自分の責任じゃ無いのかな。仕方ない。
でも「自然にそなわった」の自然の意味を更に考えてみれば
【自然】(しぜん)
自ずからそうなっている様
と言う意味もあります。生活、考え、物事に向かう姿勢、そうしたものの集
大成として「自ずから」生じ備わるから「自然にそなわっている」とも考え
られます。いや多分こちらが本当の意味かな?
やはり、身を隠すための「穴」を準備する必要があります。
あるいは、その「穴」から抜け出すための努力が必要と言うべきか。
どちらも手間のかかることですね。どうせ手間がかかるなら、一つ穴から抜
け出す努力をしるかと、本来なら「品格」を身につけていてしかるべき年齢
になってようやく気が付く私でした。
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