日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【吾亦紅】(われもこう)
(吾木香・我毛香とも書く)
1.バラ科の多年草。山野に自生し、高さ60〜90センチメートル。
晩夏、暗紅紫色の小花を球形の花序に密生。果実も同色。
若葉は食用、根は止血・収斂(しゆうれん)剤。漢名、地楡。
秋の季語。
2.ワレモコウの花の文様。
秋の名草として古くから知られる花ですが、花と言うには花びらと言えるよ
うなものも見えず、これが花だと知らなければ実じゃないかと思ってしまう
ようなお姿です。
「実」に見まごうような地味な姿で、多くの花の咲く秋に忘れられてしまい
そう。そこで怖ず怖ずと
吾も亦(われもまた)、紅の花です
と手を挙げているかのような、なんだかユーモラスな感じのする名前です。
漢名の地楡は、吾亦紅の葉が楡の葉に似ているからだと言われますが、楡の
葉に似ているというその葉の形は私には思い浮かびません。
頭に浮かぶのはあの暗紫紅色のイガグリ頭の花ばかり。楡の葉っぱに似た葉
をつけた草だよと言われても、多分見つけられないでしょう。
まるで木の実のような、あまりパッとしない花ではありますが、このパッと
しない暗紫紅色のイガグリ頭の花は秋の花々の先駆けとなって咲き出します。
この花を野中に見つけるようになると、秋がやってきたことがしみじみと実
感されます。吾亦紅の花と一緒に秋がやってきます。
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