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【惰眠】(だみん)
 1.なまけてねむること。「惰眠をむさぼる」
 2.のらくらして働かないこと。活気のないこと。
  《広辞苑・第五版》

 冬の朝は辛いものです。朝、目が醒めてもお布団の外は寒い。
 起きようとしても外の寒さに触れた瞬間、もう一度お布団の中の温もりに逃
 げ込んでしまいそうになります(なりました)。
 冬はこうしてつい、「惰眠」をむさぼりがち。
 しかし、ここでお布団に逃げ込んでしまうといつまで経っても起きられませ
 ん。いつまで待っても冬の朝の寒さは続くわけですから。

 清朝中国に、太平天国の乱を鎮定した湘軍の指揮官であり、また哲人政治家
 として知られる曾国藩(そうこくはん)という人物がおりました。
 彼が若いとき(32才)に日記に書いた課程十二条というものがありますが、
 その中の一つに次の一文があります。

  黎明即起し、醒後てん恋するなかれ。

 夜が明けたらすぐ起きる。目醒めて後、布団の中でぐずぐずしない。
 といったほどの意味でしょうか。

 前段の夜が明けたら直ぐに起きるということは生活時間帯が大きく変わって
 しまった現在だと、仕事やら何やらの都合で難しいことも多いでしょうが、
 後段の、「醒後てん恋するなかれ」は何時であれ、簡単に出来ることです。
 といいながらこの「簡単なこと」がなかなか出来ない。

 目が覚めて「ああ、布団の外は寒いな。もう少し寝ちゃおうかな」という誘
 惑に負けそうなことも度々。
 そんなときに若いときに覚えたこの曾国藩の「醒後てん恋するなかれ」を思
 い出して、とりあえず起きてみることにしています。
 もっとも、思い出しながらも「もう少し」という誘惑に全て打ち勝っている
 わけではありません。最近だと八勝二敗くらい? いや七勝三敗かな・・・。

 何時までも惰眠をむさぼらないように、少しでもこの勝率を上げられるよう
 に、とにかく目覚めたら「起きるだけは起きてみる」としましょう。



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