日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【名の木枯る】(なのき かる)
「名の木」とは、名のある香木。名木(めいぼく)のこと。
「名の木枯る」はそうした名木が枯れる様です。
名の木として数え上げられる木には、桜、楓、柳などがある。
また、銀杏(いちょう)や櫟(くぬぎ)、欅(けやき)や榎(えのき)など
も名の木に数えられる。
ただこうやって考えて行くと、さて名のある木とそうでないただの木の境は
どこにあるのか解らなくなります。欅や榎が名のある木なら、杉や檜や松は
どうなるのでしょうか?
杉や檜や松では「名の木枯る」にはなりませんが。
さて、話を「名の木枯る」に戻しましょう。
名木と言われるほどに木の存在感は大きく、春の桜、夏の欅、晩秋の銀杏、
とそれぞれの季節に思い浮かぶ木があります。
そうやって季節毎に思い浮かぶそれぞれの名の木ですが、葉を落とした冬の
姿にはまた別の印象を与えます。
桜の花、空を覆う欅の葉、銀杏の輝く黄葉、そうしたものが無くなって、た
だ裸の木がそこにあるとまるで違った木のように見えるものです。
ただ違った木には見えても、名の木と呼ばれるほどの木にはなぜか不思議な
品格を感じます。
名の木の名の木とされる所以でしょうか。
名の木枯る、葉もなく、花もなく、それでもただ木があるだけでそう呼ばれ
る木があるように、人にもまたそうした人があるのかななどと、考えさせら
れてしまう言葉です。
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