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【諂う】(へつらう)
 人の気に入るようにふるまう。こびる。おもねる。追従(ついしょう)する。
  《広辞苑・第五版》

 媚びるとつなげて、「媚び諂う(こびへつらう)」何て言う使い方もありま
 す。「媚び諂う」は、安土桃山時代に日本に宣教に訪れたポルトガルの宣教
 師達がつくった日本語−ポルトガル辞典にもその項目があるそうですから、
  400年も前から使われていたことが判ります。

 人の気に入るように振る舞う様子は端から見ていると何とも見苦しい。諂う
 人の品性の劣悪さをさらしているように見えます。

 諂うことは悪いことかというと、悪いことには間違いないですが、その悪さ
 は「悪」というより「いじましさ」であるようです。
 悪人にも大悪人と言われるような大物はあるでしょうが、それが善であれ悪
 であれ大物に「諂う」は似つかわしくないように思えます。

◇民衆に諂うことは、お偉方に諂うこと以上に卑劣で、汚いことである。
  (ペギーの言葉。フランスの詩人・思想家 1873〜1914)
 信念のない政治家は民衆のご機嫌取りをして地位を保とうとする。民衆のた
 めを思っているわけではないから、目先の甘言で民衆をだます結果となる。
   《旺文社成語林 別冊 世界の名言・名句 より》

 現在の日本の首相の支持率はわずかな期間に急落していますが、なぜそうな
 っているのかと考えると、なんだかこの言葉に行き着きました。
 政策の失敗というのならそれは能力の問題ですが、能力の無さの露呈だけで
 下がるにしてはあまりにも早い支持率の下落。能力の欠如以上の何かがある
 気がするのですが、その何かとはこの品性の劣悪さかなと。

 国民に、或いは選挙区の有権者向けに、諂う政治家ばかりになってしまった
 としたらそれは、諂われていい気になっている私たちの自業自得の結果なの
 かも知れません。人の諂う様を見苦しいと言う前に、自分のことを省みるべ
 きですね。自戒、自戒。

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