こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【零余子】(むかご)
 広義には珠芽(しゅが)と同義。
 また、特にヤマノイモの葉のつけ根に生ずる珠芽を指す。
 肉芽(にくが)。ぬかご。秋の季語。

 畑であればナガイモ、山であれば自然薯(じねんじょ)などの葉腋(ようえ
 き)につく大豆くらいの大きさの実のようなもののことです。
 大きさについては、小豆ほどの小さなものから小鳥の卵ほどのものまで様々。
 大きな零余子を見つけるとなんだかうれしくなります。

 私の家の周りには里山が沢山残っていますのでそこに足を踏み入れると、結
 構野生のイモの蔓が見つかり、零余子がついているのを見かけることもよく
 あります。

 見た目はジャガイモをぐんと小型にしたような風貌、色合いで地中に出来る
 イモ同様、すり潰すと粘り気があります。
 これまた地中のイモ同様、煮ても焼いても食べることが出来ます。沢山採れ
 たら、炊き込んで零余子飯などにしてみるのもよいでしょう。

 零余子の「零」は数字のゼロを表す文字にも使われるように、わずかな残り
 とか端といった小さな量を表す文字ですが、また雨のしずくという意味や、
 こぼれ落ちるという意味もあります。

 沢山の養分を地下のイモに蓄えたその残りが地上の蔓の葉腋に、イモの養分
 のしずくとなって結実したものと言えるのでしょうか。
 晴れた秋の日、山を歩いて木に巻き付いた細い蔓を見かけたら、近寄ってよ
 く見てみてみましょう。案外見過ごしていたイモの養分のしずく、零余子が
 隠れているかも知れません。

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