日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
【朝開暮落花】
木槿(むくげ)の別名。
木槿は梅雨の終わり頃から秋にかけて咲くアオイ科の落葉低木です。
日本では庭木や生け垣として広く栽培されている植物ですので、その大きな
花を見かけることも多いと思います。
同じアオイ科の花としては同じ時期に咲く芙蓉(ふよう)があります。
どちらの花も正面から見ると丸い大きな花です。
こうした花は貌花(かおばな)とも呼ばれます。その丸い大きな形が人の顔
(貌)に見えるからでしょうか。
植物としての種類は異なりますが、アサガオやヒルガオもその見た目から同
じく、貌花と呼ばれます。
◇朝に開いて暮れには落ちる
それがしも其の日暮らしぞ花木槿 一茶
木槿や芙蓉は朝に開いた花が夕方になると落ちてしまう一日花です。本日採
り上げた「朝開暮落花」という言葉もこうした様子を捉えた言葉です。
朝になると新しい花が開くということと貌花と呼ばれる花であることから、
古い時代は「アサガオ」といえばこの花を指したこともあるそうです。
木槿の花も芙蓉の花も朝に咲いて日暮れにはその命を終わらせてしまう花で
すが、翌日になればまた別の蕾が開き、花は秋の初めまで咲き続けます。
この季節、沢山の花をつけた木槿の木の下には、昨日の朝に咲いて夕暮れに
散った木槿の花が落ちています。
力強さと儚さを同時にかいま見せてくれる、朝開暮落花の花でした。
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