日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【とんちんかん】
(鍛冶屋の相鎚(あいづち)は交互に打ち、音が揃わないところから。
「頓珍漢」とも当てる)
1.物事がゆきちがい前後すること。つじつまの合わないこと。
「とんちんかんなことを言う」
2.とんまなこと。また、そういう人。
《広辞苑・第五版》
鍛冶屋の親方の打つ槌と弟子の相槌が揃わないことと言われても、現在は村
の鍛冶屋自体が姿を消してしまっていますから実際に
とんちんかん
という音を聞くことは出来なくなってしまっていますが、それでも「とんち
んかん」と云えばちぐはぐな様子が伝わって来ます。それも単にちぐはぐと
いうだけでなく、何かしらユーモラスな雰囲気を帯びてその様子が伝わりま
す。
「とんちんかんな奴」とか「とんちんかんな行い」といえば、非難されてい
ることには違いないのですが、逃げ場の無いほど追いつめた非難という感じ
はしません。
「とんちんかん」と揃わない槌の音に合わない相槌しか入れられない弟子に
弱りながらも、何時かは揃った相槌が打てるまで辛抱強く見守る親方の気持
ちを感じ取ってしまうのか、それとも下手は下手なりに一所懸命に鋤鍬を直
して生業とする村の鍛冶屋を見守る村人の気持ちになるからなのか。
なんだか不思議な言葉、「とんちんかん」です。
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