日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【片腹痛い】(かたはらいたい)
「形」(文語)かたはらいたし
(「傍」のカタハラを片腹の意に誤ったことから起こった語)身のほど知ら
ずな相手の態度を笑いとばす意。笑止である。
ちゃんちゃらおかしい。日葡辞書「カタハライタイ」。
浄瑠璃、出世景清「腕無しのふりづんばい、片腹痛し、事をかし」
→かたわらいたい
《広辞苑・第六版》
「片腹痛い」ってどんな状態だろうと、この言葉を耳にして思ったことは無
いですか?
この言葉が日常で使われる場面というのはそんなにないように思いますから
耳にするとしたら時代劇か何かの台詞としてかもしれませんが。
身の程知らずの相手の態度を笑うということから、
笑いすぎておなかが痛くなるほどだ
と誇張して相手を嘲るために片腹が痛いなんて云ったのかななんて漠然と考
えていたのですが、辞書の説明によれば「かたはら」は「傍ら」が本来だっ
たのですね。別にお腹の片側だけが痛いという意味じゃなかったのです。
広辞苑で本来の「かたはらいたい」である「傍ら痛い」をひくと
【傍ら痛い】(かたわらいたい)
「形」(文語)かたはらいたし
(傍らにいて心が痛む意。「片腹痛い」は中世以後の当て字)
1.気の毒である。また、そばで見ていて、いやな気がする。
2.きまりが悪い。はずかしい。いたたまれない。
《広辞苑・第六版》
という説明がなされています。
両者の意味を比べると
片腹痛い ≠ 傍ら痛い
元々は、「傍ら痛い」の当て字であった「片腹痛い」ですが、今では別の意
味を持った言葉となってしまっています。
現在の「片腹痛い」の意味を見ると、片腹が痛いのは笑いすぎてお腹の片側
が痛むほどだからだいう私の考えもあながち間違いではなかったかも。
「片腹痛い」は中世以後の当て字だとか。
中世以後のどこかの段階で、この当て字を見て、
腹が痛むほどおかしいこと
と連想して使い始めた人がいて、本来の「傍ら痛い」の意味から離れ現在の
「片腹痛い」の意味に変わってきたのかも。
言葉の意味の変化って、案外こんな誤解の積み重なりが生み出すものなのか
も知れませんね。
そんな浅薄な分析など、片腹痛いことだ
と「片腹痛い」という言葉は考えているかも知れませんがね。
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