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【南風】(はえ)
 (主に中国・四国・九州地方で)みなみかぜ。
 おだやかな順風。夏の季語。〈日葡辞書〉
   《広辞苑・第六版》

 「はえ」はとても古くから使われていた言葉だそうです。
 広辞苑がこの言葉の出典としている日葡辞書は1603年に刊行された辞書です
 から、少なく見積もっても 400年以上は使われ続けている言葉ということに
 なります。

 南風(はえ)は主に西日本で使われる言葉で、南から断続的に吹く、あまり
 強くない風の呼び名です。ところによっては「はい」「みなみ」という呼び
 方もあるようです。

 南風はあまり強くない風とはいいながら時には荒南風(あらはえ)と呼ばれ
 る強い風となって海で働く人達を泣かせることもあるのだとか。人も風も、
 穏やかな時ばかりではないということですね。

◇梅雨と南風
 梅雨の頃に吹く南風には、色のついた特別な名前の南風があります。
 黒南風(くろはえ)と白南風(しらはえ)です。

 黒南風は梅雨入りの頃に吹く穏やかな南風で南の海から、暖かく湿った空気
 と雨雲を運んで来ます。これに対して白南風は梅雨明け間近に吹く風です。
 同じ南風ではありますが、白南風が運んで来るものは黒南風の雨雲ではなく
 夏の空に浮かぶ白い雲です。

 今朝も海から南風が吹いています。
 七月も半ばを過ぎ、南風の色は大分薄くなっていることでしょう。
 純白の南風が吹いて、梅雨が明けるのも間もなくです。

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