日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■「正月小なし二月大なし」の謎
【正月小なし二月大なし】
正月が小の月(二九日)になることはなく、二月が大の月(三○日)にな
ることもないという意味。
「参考」
陰暦が使われていた時代のことば。陰暦では、原則として、一年を太陰月
に基づいて一二月に割るが、二九日の小の月と三○日の大の月とがあった。
・・・旺文社・成語林より・・・
なんだか、「コトノハ コーナー」のような出だしになってしまいました。
実はその通りで、昨日の号のコトノハで取り上げた、
「正月に餅なし盆にサバなし」
を故事・成語辞書で引いたら、その隣にあったのがこの言葉。
「へぇー、こんな言葉があるんだ。おもしろいな。って、あれれ?」
言葉の雰囲気や解説を読む限りでは、陰暦(まあ、これは旧暦の異称として
の「陰暦」でしょう)の正月はいつも大の月で、二月はいつも小の月となる
のだということだととれますね。
でも、こよみのページなんてものを作っているものからすると、旧暦の正月
がいつも大の月になるなんて保証は何処にもないぞと考えないわけにはいき
ません。
試しに、いくつかの期間で陰暦(旧暦)正月が「小の月」になってしまうこ
とが有るかを調べてみますと、次のようになります。
a.2000〜2009年 ・・・ 3回 : 2004,05,07 (旧暦を計算した結果から)
b.1863〜1872年 ・・・ 6回 : 1863,64,67,68,70,72 (天保暦時代)
c.1500〜1509年 ・・・ 4回 : 1500,02,04,09 (宣明暦時代)
a は私が計算した「旧暦計算」結果なので、
「かわうその計算なんか、信じられるかい!」
と言われてしまうかもしれませんが、b,c は歴とした実際に使われた暦の日
付から。私の計算は信じられなくともこちらは信じられるでしょう。
a〜cについては、同じ陰暦(旧暦)でも多少定義が異なるなどするので、暦
法により問題のことわざのような現象が起こるかもしれないと考えて、違っ
たものを並べてみました。それでも結果は同じで、正月が小の月になること
何て、ありふれたこと。とてもあんな諺が生まれるとは思えません。ではあ
の諺はどこから?
少なくとも今の私には「謎」。
そもそもあの諺は本当にあったの? 何処で採集されたものなの?
と「?」のオンパレード。
??????????
といくら並べても答えは出ないので、本日発行元の旺文社に質問のメールを
書いて送りました。当然まだ返事は有りませんが、どんなことになるのか。
そのうち、顛末が書ければよいのですが。
本日は、結局顛末の無い、しり切れトンボのこぼれ話。
たまにはこんなのも・・・お許し下さい。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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