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■復活祭の日付何でもランキング
明日3/23はキリスト教の復活祭(イースター。ただし東方正教会等は4/27)
です。
昨日のこぼれ話でも書いたとおり、現在の復活祭の日付は西方教会系と東方
正教会系に大きく別れていて、日付が異なります。グレゴリウス暦で計算す
るかユリウス暦で計算するかがその日付の異なる最大の理由です。
それぞれが使用する暦で復活祭の最も早い日付と遅い日付を表すと、
最も早い日付 3/22
最も遅い日付 4/25
となります。
明日は3/23ですから、最も早い日付より 1日遅いだけです。
では、このかなり早い日付は珍しいものなのでしょうか。
と言う事で、何でもランキング風に復活祭の日付を眺めてみる事にします。
以下、説明に使う日付は原則グレゴリウス暦とします。ただしグレゴリウス
暦とユリウス暦を区別する必要がある場合は、それぞれ
(グ):グレゴリウス暦を示す
(ユ):ユリウス暦を示す
ことにします。また西方教会系を(西)、東方正教会系を(東)とします。
◇AD1583〜2582年(1000年間)の日付を計算してみました
いろいろ比較するためにはまずデータを作らねば、という事で西方教会方式
と東方正教会方式で1000年分の復活祭の日付を計算して見ました。
全部並べると、今日の日刊☆こよみのページが「超超超大作」になってしま
うので必要なところだけ抜粋します。
◇最も早い復活祭は?
最も早い復活祭の日付は、
(西)(グ)3/22 ( 8回):1598,1693,1761,1818,2285,2353,2437,2505
(東)(ユ)3/22 ( 7回):1668,1915,2010,2105,2200,2447,2542
後ろに並んだ数字は、その日付が復活祭となった年の西暦年です。
今年は残念ながら早いほうから 2番目の年ですが、それより早い3/22が復活
祭となる最近の年は、1818年と2285年(西方教会系)。 2番目になる3/23の
復活祭も調べてみると、
(西)(グ)3/23 (11回)
1636,1704,1788,1845,1856,1913,2008,2160,2228,2380,2532
(東)(ユ)3/23 (16回)
1600,1763,1847,1858,1942,1953,2037,2048,2132,2295,2379,2390,2474
,2485,2569,2580
2番目の日付とはいえ、3/23となる2008年前後の年を見れば1913年と2160年
(西方教会系)。これだって結構珍しいですね。
◇最も遅い復活祭は?
最も早い復活祭の日付の後は、最も遅い復活祭の日付。
(西)(グ)4/25 (10回)
1666,1734,1886,1943,2038,2190,2258,2326,2410,2573
(東)(ユ)4/25 ( 7回)
1641,1736,1983,2078,2173,2268,2515
◇最も回数の多い日付、少ない日付
復活祭は3/22〜4/25まで。つまり35日あって、1000年分計算しましたから、
1000 ÷ 35 = 28.6回
が平均の出現回数ですが、実際は結構多かったり少なかったりします。
と言う事で、出現回数の多い日、少ない日を探してみます。では多い日から。
(西)(グ)1位 4/16(45回),2位 4/5 (44回),3位 3/31(43回)
(東)(ユ)1位 4/8と4/19(39回),2位 3/31,4/3,4/11,4/16(38回)
少ない日は、
(西)(グ)1位 3/24(5回),2位 3/22と4/23 (8回)
(東)(ユ)1位 3/22と4/25(7回),2位 4/24(15回)
◇西方教会系と東方正教会系の復活祭が同じとなる年
これは同じ日に祝われる時という事で、東方正教会系のユリウス暦日もグレ
ゴリウス暦に直して、一致する日を調べてみました。
すると、同じ日に復活祭となる年は1000年間に 259回ありました。
大体 4年に 1回はどちらの教会でも同じ日に祝われるなる計算ですね。
残念ながら今年の西方教会の日付3/23日に一致する東方正教会の復活祭はも
うありません。理由は、1582年の改暦で、グレゴリウス暦の日付ははユリウ
ス暦の日付+10日となり、この差は大きくなって行く一方だからです。
そのため東方正教会系の復活祭は、近年では最も早くてもグレゴリウス暦の
4/4。それより早くはなりません。
今年はダメでしたが、では最近で二つの教会系の復活祭が一致する日付と年
はと探すと、
2007/4/8 (ユリウス暦では 2007/3/26 にあたる)
2010/4/4 (ユリウス暦では 2007/3/22 にあたる)
となります。
ちなみに、多く一致する日は、
(グ)1位 4/16(18回),2位 4/10と4/15 (17回)
となります。
なお、ユリウス暦とグレゴリウス暦との差が増大してきているので、最近の
東方正教会系の復活祭の時期は、なじみのあるグレゴリウス暦での日付では
4/4〜5/8頃になります。
今日は、復活祭の日付何でもランキングでした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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