日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■夏至の頃は冬至の頃より日が短い?
夏至を過ぎて、もう
ああ、日が短くなってきた
と嘆いている気の早い方もいらっしゃるでしょうが(私の周辺に約一名そう
いう奴がいます)、世間一般ではまだまだ日が長い季節、日永の季節です。
この夏至の前後の期間は一年でも一番日が長い時期で、その反対に日が短い
時期は冬至の前後。これが常識。でもこの常識はホントにホント?
◇日照時間と可照時間
お日様が照っている時間を日照時間といいます。本当は、
「日照」とは直射光の直達日射量が120W/m2以上ある状態
何ていう難しそうな定義があるのですが、まあお日様が照っている時間とい
ってしまってもさほど大きな差はないでしょう。
さてこの日照時間ですが、既に何度か書いたとおり
お日様が照っている時間
です。つまり日が昇っているはずであっても曇りや雨といった天気の期間は
日照時間にカウントされません。時々、
今年の10月の日照時間を教えて下さい
なんていう質問を頂くことがあるのですが、日照時間はこのように実際に計
ってみるまで判らないもの、計算だけでは求められないものなのです。
つまり、「こよみのページに聞かないで」というわけです。
これに対して、もし晴れていれば日が照っている状態となる時間のことを、
可照時間といいます。こちらは、太陽の中心が地平線から昇る瞬間から地平
線に沈むまでの時間として計算することが出来ます。
つまり、「こよみのページに聞いてください」というわけです。
日本では「晴れていれば一番日照時間が長いはずの夏至の頃」は、可照時間
は長いのですが生憎と梅雨の長雨の時期に一致していますから、日照時間は
長くはありません。
長く無いどころか、実は冬至の頃より日照時間は短いのです。
◇夏至の頃と冬至の頃の可照時間と日照時間
夏至の頃 6月と、冬至の頃12月の東京における可照時間と日照時間を比べて
みましょう。それぞれの月の可照時間と日照時間のトータルは次のようにな
ります(「※」は実際の値を 31/30倍したもの。 6月と12月の日数調整)。
可照時間 6月:435時間(※449時間) 12月:302時間
日照時間 6月:149時間(※154時間) 12月:169時間
(日照時間のデータは、「リクガメ−日本各地の平均日照時間より
⇒ http://www001.upp.so-net.ne.jp/tortoise/the_tortoise_020.htm)
可照時間では夏至の時期である 6月は冬至の時期である12月に比べてが圧倒
的に長い(31日換算で 147時間も!)のですが、日照時間となるとこの関係
が逆転、冬至の頃である12月のほうが31日換算で15時間長いことになってい
ます。日照時間の可照時間に占める率で見ると
日照時間/可照時間(×100%) 6月:34% 12月:56%
12月は 6月の倍近く「晴れ」ています。
こうしてみると、東京近辺に限っていえば、
夏至の頃は冬至の頃より日(日照時間)が短い
といっても間違いでは無いようです。
さあ、たまにしか晴れない梅雨の空ですが、明日は晴れて短い間でも陽射し
が受けられるといいですね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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